君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

「滞納は市民のSOS、おせっかいが基本」の野洲市を視察

2018年5月3日

●視察3日目は、話題の野洲市へ。「話題」というのは、生活困窮者支援が行き届いている自治体として、つとに有名だからです。

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●幾重にも生活困窮者支援の仕組みを作っていますが、象徴的なのが<市民生活相談課>。
市民相談・消費生活相談・法律相談・税務相談・生活困窮相談・やすワーク(職業安定所との連携による就労支援)など行っています。
正規職員4名の外に様々な形態の6名の職員が配置されています。直接の対応以外にも、必要に応じて担当課や専門家につないでいます。
「困っている市民は自分からは相談に来れない」「おせっかいが基本」という精神が素晴らしい!

●<野洲市債権管理条例>も、感動的です。
「生活困窮者の発見と生活再建に向けた支援」を大きな目的としています。「滞納は市民からのSOS」ととらえ、市民生活支援のきっかけとしているのです。「市民生活を壊してまでは回収しない」ことを基本とし、徴収停止や債権放棄を適宜行い、生活再建に繋げています。
「差押えよりも、生活再建を経て納税していただく方が、長期的な納税額が大きい」という考え方です。
私も従来「生活を破壊する税の取り立てはあり得ない、何のための税か」と度々言ってきましたが、税収という点からも生活再建の方が合理的だという訳です。その通りです!

●<野洲市見守りネットワーク事業>は、それまで行われてきた地域による見守りをさらに発展させて、市・事業者・自治組織が連携する仕組みです。

<野洲市生活困窮者支援事業>も2015年の生活困窮者自立支援法の施行を受けて策定され、負の再生産を食い止める大きな役割を果たしてきました。

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●この町の原動力はナニ?
上記の生活相談課は、消費生活相談から始まり、2009年には多重債務者包括的支援プロジェクトによる体制が加わりました。その後2011年にパーソナル・サポート・サービスモデル事業、2012年には野洲市暮らし支え合い条例も合流し、現在に至りました。
この動きは、上意下達ではなく実務的な必要性から発展してきたようなのですが、現市長もこれらの取り組みには「誇りを持っている」と述べ、「のびやかに安心して暮らせるまちの実現」を掲げています。「生活を支援し、税金を払ってもらえるようにするのが市の仕事」と。

市民からの分断発言などは聞かれないとのことですし、議会にも反対の動きはないとのことでした。
人口約5万人、世帯数1万9764のこのまちに、自治体の原点を見る思いでした。(2018.4.27)

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