●今年の記念講演は「韓流 女性運動と社会連帯から学ぶ」と題して、一橋大学特別研究員の金美珍さん。
かの有名な「ろうそくデモ」、大統領の不正への怒りから始まったこのデモは2016年10月29日から2017年3月11日までで計20回、1685万人が参加したといいます。6回目のデモには最高の232万人が参加。
その時の様子が映し出されましたが、道路を埋め尽くす人々の灯りも美しく、「民衆の歌」が何と感動的に聞こえたことでしょう!
このデモは、12月10日に大統領弾劾を成立させ、3月には朴大統領を罷免し、5月9日に文在寅大統領を誕生させました。
●何故、韓国の国民はこのように大きな力を発揮できるのでしょうか。
背景は「国民不在の国家」に対する絶望と抗議だといいますが、怒りから祭へ、さらに文化へという流れが話されました。
市民の努力も徹底しています。
これだけの大きな集会・デモでありながら、暴力的な動きなどは一切許していないといいます。
「集会文化のマニュアル」には、女性・子ども・障がい者・外国人・動物への配慮まで記されているそうです。
●ソウル市の協力も以下のように絶大です。
*既に入っている日程をキャンセルして、集会のために広場を確保。
*市が安全要員の配置や簡易トイレの設置を。
*集会参加者のために、電車を夜中の3時まで、バスに至っては朝の5時まで走行させる。
●また大きな力が示されている一番の要因は、これまでの歴史でしょうか。
*1987年以前の軍事独裁政権下、反独裁・民主化の闘いが続く。(学生・労働者・農民が中心)
*1987年の「民主化宣言」以降は市民運動が登場。
*講演を聞く私たちへの配慮か、金さんは言いませんでしたが、私は日韓併合など日本の支配に対する闘いの歴史もあるだろうと思いながら聞いていました。
*2002年以降、ネットで議論し、個人で参加。
*2008年以降、組織への加入より行動する個人が増加。
●長い抵抗の歴史が232万人の集会を作り出すのかな、などと思いながら、大統領の不正を許さなかった韓国の人々が、眩しく見えました。
朴大統領より遥かに多く、国民への裏切りを重ねている日本の首相。その首相に未だ席を与えていることに怒りと情けなさを覚えます。
日本でも、国民の行動が政治を変える感動的なシーンを是非つくり出したいものです。(2017.11.25)