県議会第1回定例会が始まりました。
13日には知事提案の説明がありました。主な点は以下の通りです。
○「津久井やまゆり園」については、全面的建て替えを決めた後、公聴会を初めとして異論含む様々な意見が出ている。その為さらなる検討を進める事にした。
○超高齢社会を乗り越えるための施策を加速させ、「共生でスマイル」「未病改善でスマイル」「マグネット力でスマイル」を掲げ、笑顔で暮らせる社会をめざす。
○平成28年度の県税収入の見通しは、当初予算額を211億円下回る1兆2399億円、その他を加えた税収全体で1兆3591億円の見込み。
29年度の税収全体では1兆3764億円を見込んでいる。歳出面では、財源不足を補うために財政調整基金を178億円取り崩す。
厳しい財政状況ではあるが、経済のエンジンを回すため攻めの姿勢を貫く。
○29年度当初予算案の主要施策の第一は「健康長寿」、第二は「経済のエンジン」、第三は「安全・安心」、第四は「ひとのチカラ」、第五は「まちづくり」。
○(これらを踏まえたうえで重ねて強調しているのが)
神奈川から経済のエンジンを回すため、攻めの姿勢を崩すことなく「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」「セレクト神奈川100」「観光振興の取り組み」「ロボットとの共生」等の神奈川モデルを加速化させる予算編成。
●ここからは私の感想です。強調している点に触れながら。
【ヘルスケアニューフロンティア】
具体的には未病関連商品・サービスを県民が実証する場を設け、ヘルスケア分野のベンチャー企業を支援するため、民間と連携したファンドをつくるとしています。
「県民は実験台か‼」と私は聞きながら思いました。健康は県民にとってこそ必要であり、ベンチャー企業等を応援することが第一になっていては、具体的方策を誤りかねません。
【セレクト神奈川100】
未病・ロボット・観光等の成長産業の投資を補助し、県外・国外から企業等の立地を促進するとともに、海外展開を目指す企業を支援し経済活性化を図るとしています。
自治体が真っ先に支援すべきは、地域で必死に営業を続けている多くの中小企業、とりわけ小規模企業です。県内中小企業は、県内企業約20万社の99%を占め、その85%は小規模企業です。これら企業が仕事を続けられるか否かは、県内経済にとって大きな要素です。新たな企業呼び込みや海外展開支援より優先すべき切迫した課題だと思います。
【ロボットとの共生】については、ロボット開発プロジェクトの経費に対する支援、自動車自動運転の実証実験支援などを謳っています。
ロボット開発に自治体がここまで支援する必要があるのかと思いながら聞きました。「そもそもなぜロボットと共生?」「ロボットを人間同様に持ち上げるのか!」と思いながら。
●全体として、やはり県民が不在です。相変わらず経済のエンジン(その効果のほどは確かではない)を振りかざし、企業支援が強調されています。その企業支援も、現に存在し困難に直面している企業ではなく、知事が期待する未病産業、ロボット産業などです。
自治体が希望を語るのはいいとして、あくまでも県民や地域で頑張っている中小企業が主役でなければいけません。
これから始まる本会議・常任委員会・予算委員会でこの姿勢を求めていきたいと思います。(2017.2.13)