10日、共産党県委員会として、国政予算要望を提出しました。県・市町村の議員も参加し6省庁と交渉しましたが、厚生労働省に関わる主なやりとりを報告します。
【厚生分野】
・保育所施設整備について、日照・騒音・振動等の環境基準を設けるよう求めましたが、各自治体に委ねるとの回答。たまりかねて、国として最低基準を定めるべき、なぜ地域任せなのかと問いました。「基準を定めると経営が厳しくなり待機者が増えるから」と。一斉に抗議の声があがりました。
・高すぎる国保料について軽減策を求め、軽減対象者を拡大したいとの回答を得ました。
・後期高齢者医療制度の「保険料特例軽減制度の廃止」をやめるよう求めましたが、改めて社会保障審議会の「軽減特例を見直すべき」との見解を示しました。
・小児医療費無料化制度を国が設ける事とともに、独自の努力をしている自治体へのペナルティをやめるよう求めました。小児医療費についての扱いは検討を進めているとの事でしたが、重度障がい者等医療費無料化へのペナルティは、今まで通りという冷たい答えが。
・介護施設の職員配置基準引き上げの要求に対して、またもや施設の経営圧迫を引き合いに出すなど、国の役割放棄の回答でした。
・ホームレスや虐待への緊急対応としての一時扶助費について「家具什器類」費引き上げ要望に対し、社協の「生活福祉資金」の借り入れを推奨するなどここでも自らの責任回避。
【労働分野】
・リストラ規制に関わっては、雇用対策法の活用による再就職の確実な援助を求めました。「(リストラは)景気や企業経営上余儀なくされることもある」とする担当者に対し、体力ある企業が容赦なくリストラを行っている実態を示し、労働行政が働く人や地域社会を守っていくよう求めました。
・非正規労働者が正規労働者への転換を図れる条件整備とともに、均等待遇の実現を求めました。
・生活保護基準を上回る最低賃金とすること、当面全国で1000円以上にすることを求めました。これに対し担当者は「(最低賃金を上げると)雇用の場が失われる可能性がある」と発言。
・過労死の防止・長時間労働規制を強く訴えました。指導を徹底したいとの答えでしたが、長時間労働規制法の制定が必要です。
・労働基準監督官の大幅増員を求めたところ、全国で75名の増員を図ったとの回答。75名では不十分との指摘に対して、毎年定員削減が課せられており非常に厳しいとの答え。
・特区に関わっては、神奈川県の外国人家事支援労働者制度の問題点を指摘。この制度に反対を表明しつつ、既にスタートしている為しっかりした監視を求めました。
<感想など>
制度趣旨を踏まえないこじつけともいうべき説明が目立ちました。
粘り強く実態を知らせていくこと、若い担当者に行政のあるべき姿を伝えていくこと、また何より政府の姿勢を変えていくことが必要です。(2016.11.10)