● 県議になって、新しい場に呼ばれることが増えました。私にとっては新しい発見が結構あります。
この日は中原地区消防出初式。数年ぶりに、木遣り・まとい振りとともに梯子の演技がありました。ナマで見たのは初めてです。こういう技がこの地域にも息づいていたんですね。
これに限らず、様々な分野に力が蓄えられ、市民の活動などが繰り広げられていることに感心します。
● また別の意味での発見もあります。この日も「国旗掲揚」がありましたが、その大掛かりなことに驚きを覚えました。
何度かの号令により、消防隊員・消防団員その他の方々が姿勢を正して、国旗の方に体を向けます。来賓にもその呼びかけがあります。全員が注目する中で国旗がおごそかかに揚がってきます。揚がりきったところで、歌い手が華やかな服装を身に着け、君が代を高らかに歌い上げるのです。直立不動で全員が国旗を見上げています。
「アー、こういう中で君が代や日の丸に対する、愛情或いは尊敬が醸成されるんだー」と思いながら見ていました。単に正面に掲示されているのとは「効果」が違います。多くの人の情感に響いていると思います。
「国旗降納」も同じ儀式を経ました。
私は、仮に「日の丸・君が代」ではなく民主的な国旗・国歌だとしても、こういう情景には危惧と違和感を覚えます。この様な場面が繰り返されれば、「国旗・国歌は敬うべき対象」として物神性を帯びるだけではなく、「個人より国家を上に置く」考えに通じると思いました。
国家を個人の上に置いた時に生じた出来事を思い返すと、やはりそれは人間らしさを失わせるものだと思います。個人の尊厳とは程遠ものとなります。(2016.1.8)