☆33回目の「知事やめよ」宣伝。あれから2年半、この間知事に何を求めても見解を質しても、帰ってきた言葉は「仕事でお返しします」の一点のみ。本来、性的に受けた傷は、他の行為で代替などできませんが、知事がどれほどジェンダー平等に力を尽くしているのか、その状況を県庁前で報告しました。
●ⅰ)神奈川県のジェンダーギャップ指数は
日本のジェンダーギャップ指数は146か国中118位(2025.6.12発表)。
では神奈川はどうか。「地域からジェンダー平等研究会」(以下「研究会」)は分野ごとに、2025年1月時点の「都道府県別ジェンダーギャップ指数」を発表しています。それによると、神奈川県は、「政治」3位、「教育」は6位となっており比較的進んだ分野と言えます。要因としては、県内自治体議会において女性議員割合が高いこと、小中高通じて女性校長が多いことなどによるものです。ですから、この分野の上位は必ずしも県行政の意識的取り組みの結果とはいえません。
一方で「行政」(県行政の体制など)は24位、「経済」は30位と相対的には後れを取っています。
●ⅱ)県行政の職場は
「研究会」調査によると、副知事の男女比最下位(女性副知事ゼロ)、管理職の男女比14位、審議会委員の男女比前年44位から42位、大卒程度採用職員の男女比前年29位から17位という状況にあります。県当局の責任で引き上げが可能な分野であり、主体的・計画的なとりくみがこの分野こそ望まれます。
県庁をはじめ県内自治体で働く会計年度任用職員(非正規雇用)は80%以上が女性です。また、県の事業委託や指定管理施設においても、多くの女性が働いています。この比率自体も女性差別の結果ですが、ジェンダー平等の課題として、実態調査を行い、正規化や労働条件改善が必要です。
●ⅲ)男女共同参画行政等は
女性差別撤廃条約は1979年国連総会において採択され、日本は1985年に批准していますが、条約に実効性を持たせる選択議定書が未だ批准されていません。批准を国に求める旨の請願や陳情が県内自治体議会に提出され、今年の採択等は20議会(2025年3月末)と前進しています。
パートナーシップ制度は現在県内29市町村が導入し、人口カバー率は96.8%に及んでいますが、県としては未だ導入していません。県への導入は、性的少数者の人権を保障すると同時に、移転などに伴う手続き簡素化などのメリットが、先行自治体から示されています。
性的少数者の人権を尊重する措置として、県も制度導入を図るとともに、選択的夫婦別姓制度や同性婚などの法制化を国に求めることです。
●ⅳ)民間職場の状況
神奈川県は2020年国勢調査によると、就業率が落ち込む35~39歳の女性の労働力率は全国第46位です。これは、長時間労働全国6位、長時間通勤全国1位という労働条件と無関係ではなく、労働条件改善の企業への働きかけは必須です。
「研究会」調査によると、フルタイムの仕事に従事する割合の男女比46位、フルタイムの仕事に従事する男女間の賃金格差32位、役員・管理職の男女比32位と、ジェンダー平等という点で極めて不十分な状態にあります。県からの働きかけが急務です。
☆こうして見てくると、知事は全く「お返し」できていないことがわかります。必ずしも女性行政や男女共同参画の分野を指した言葉ではなかったかもしれませんが、他の分野を見回しても、知事の努力の跡を実感することは困難。性をめぐる状況が大きく変わり、問題を起こした当事者が、責任を取って退いている中で、謝罪も反省もなく一人居座り続けているのが黒岩氏です。(2025.12.17)





「仕事でお返しします」の実態は |君嶋ちか子|神奈...


