●衆議院選挙の投開票日は10月27日。翌28日に選挙結果が確定しました。
私の結果は、ここに辿(たど)るのも嫌になるぐらい不本意なものでした。当選は、立民の宗野創氏(68,632票)。続いて国民民主の西岡義高氏(52,596票)、山際大志朗氏(52,593票)、横田光弘氏(27,727票)、君嶋(21,898票)という具合。
山際氏を落としたいという有権者は多く、それを確実なものにするため申し訳ないけど立民に入れたという声は実際に少なからずあり、立民に流れることは残念ながら予想されたところです。ところがそれだけではなく、国民民主や維新にも負けているのです。
しかも比例も、全国で336万2千票(直近の2022年参議院選挙361万8千票)にとどまり、比例9議席から7議席と議席数も減らしました。小選挙区赤嶺さんの議席を加えて8議席という結果。
●一方、自民党・公明党を過半数割れに追い込むという画期的な事態をつくり出しました。自民党は公示前から65減の191議席、公明党は8減の24議席、計215議席で過半数の235議席を割りました。ちなみに東京新聞の大きな一面見出しは「裏金自民惨敗」です。
この原動力となったのは、かつてない怒りを呼んだ裏金の存在を知らしめ、政党の在るべき姿を問い、企業団体献金をやめさせ国民主権が生きる政治をと訴え続けた「しんぶん赤旗」と日本共産党です。
加えて、投票日4日前の23日付「しんぶん赤旗」は「裏公認」の事実を明らかにしました。裏金の反省として12人を非公認としながら公認候補者と同じ金額の2000万円を支部に支給していた「裏公認」とでもいうべきやり方です。有権者の怒りはさらに増しました。与党関係者も「空気が激変した」と述べています。
また、統一協会と癒着していた議員にも18区としての審判を突き付けることができました。
●このような画期的な事態をつくり出しながら、共産党への支持につながらなかったというのが深刻です。この点はリアルな分析が必要だと思います。
ある方のX(ツイッター)は驚きでした。「高校生が授業で選挙政策の比較を行ったところ、維新が一番人気だったと。理由は大学教育無償化と消費税減税を掲げる政党はほかになかったと。この二つの政策と言えば共産党と社民党が本家本元。でも両党の政策は高校生の読解力ではそのように理解されなかったということ」。
確かに社民党も共産党も、そのことを掲げているのに一目でわかる書き方にはなっていません。「共産党は教育の4大政策の一つにしているのに読み落とされた。この文章は平均的な高校生には読めないだろう」とXは続きます。
ちなみに維新は文字が並ぶのでななく画面となっています。視覚への訴え方がまるきり違います。
ここに象徴されるように、発信方法の転換は今後の大きな課題だと思います。他にも問題はあるでしょうから、ここは党外の意見にも耳を傾けながら、しっかりとらえ直さなければなりません。
●与党の過半数割れは国会の風景を一変させると思います。
憲法改正の発議などおいそれと提出することはできなくなりました。また各党の公約を実現させる好機でもあります。共産党が掲げ続けた「最低賃金引き上げ」は自民党も認めるようになり、「企業団体献金の禁止」は多くの野党も掲げるようになりました。選択的夫婦別姓制度の実現や健康保険証廃止撤回も可能性が高まりました。
苦い思いも抱えながら、政治を前に進めることに全力を尽くしたいと思います。(2024.10.30)