●「平和をきずく市民のつどい」は42周年を迎えました。
1982年6月8日、川崎市は政令市初となる「核兵器廃絶平和都市」を宣言。この日を記念して毎年続けられてきた「平和をきずく市民のつどい」。
この市民の力で、1983年には米軍施設の跡地を平和公園と住吉高校に変え、1992年には公園内に「平和館」を完成させました。
●今年の講演は羽場久美子さん。「東アジアの平和と日本の未来」と題しました。
*様々な戦争はアメリカの世界戦略に操られている。
*アメリカはいずれの世界大戦においても、戦争末期に参戦し自らは戦地にならず、戦争はアメリカに有利に展開。世界秩序形成もアメリカの意の下で。
*アジアでも軍事化は進んでいる。対立と緊張をつくっているのはアメリカ。
*歴史的に考えても中国が沖縄にミサイルを撃ち込むはずがない。誰の利益にもならない。
*インド・南アジアは教育への投資に力を注いでいる。対立ではなく経済的に結びつくことが大切。
*日本においても、基地とミサイルではなく、平和と地域共同で繁栄へ。
*誰が平和をつくるか。国家ができないのであれば、自治体や市民がつくっていく。
*東アジアで戦争をさせない。
●私は二点質問しました。
Q1;自衛の範囲はどのように考えたらいいのか。
A;最も大事なことは戦争にさせないこと。9条があるから他国は日本に戦争を仕掛けられない。行うべき自衛は「戦争をしない」こと。
(これはその通りですが、ロシアとウクライナの戦争が長引く中で何時まで戦争を続けるのかという問題意識から出た質問でしたから、その点の疑問は残りました)
Q2;同じ敗戦国ドイツや他のNATO諸国と比べても、日本のアメリカに対する従属度は異常過ぎる。この違いは何なのか。
A;アメリカのヨーロッパ諸国に対する態度とアジアの国々に対する態度は違っている。日本がアジアの国だからではないか。(アメリカ側の要因という点からのアプローチでした。それもあるかもしれないと思いつつ、もう一つの側面、日本の歴代の政権が、なぜかくも卑屈に言いなりになっているのか、この疑問は依然としてあります)
●原爆投下をドイツではなくアジアの日本で行ったことをはじめとして、戦争の構図や世界秩序の形成についても、人種差別が少なからぬ要素となっていることを知らされました。
また「政府が動かなくても積極的に市民が平和をつくる」という訴えに共感する参加者は多く、活気あるつどいとなりました。(2024.6.9)