●黒岩知事を許さないスタンディング、4月から毎月第三水曜日昼休みに実施して9回目を迎えました。
この間スタンディングを続けながら、知事への申し入れ・質問状とともに、学習会も重ねてきました。
●その過程で私たちは多くのことを学びました。
一つは、概して世間はこういう男性の行為に甘いということ。
「過去のことだろう」「浮気ぐらい…」「プライベートなことだから」という言葉に代表されます。
私たちは知事の不倫をことさら問題にしているのではなく、知事があまりに低俗な500通ものメールを送り続ける人権感覚の持ち主であること、性欲のはけ口として女性を蔑ろにしていたこと、アダルトビデオの愛好家であること、さらに女性にアダルトビデオを買わせ続け、ときに視聴なども強いていたこと、これらが神奈川県知事の職責を果たすにはふさわしくないといっているのです。
二つ目に、今回露呈した知事の特性は、決して過去のことではないこと。
知事がアダルトビデオを買えなかった女性に対して怒鳴りつけた粗暴性は、本会議場で共産党の藤井議員を大声で罵倒した姿と重なりました。また過労自死に至った県職員を追い詰めた要因も知事が発端となっています。
そして最近も、知事が県民と対話するという企画を通して、知事の思いつきに振り回され、職員に過大な負担がかかっていることも報告がありました。
三つ目に、売買春が長く続いてきた社会、性をお金で買う社会は、女性を支配の対象とするということ。これは角田由紀子弁護士を招いた学習会で学びました。
四つ目に、11月16日の学習会でアダルトビデオは、社会に深刻な被害を生み出していることを知りました。
現在は疑似性交ではなく、性交が行われています。売春防止法で禁止されている売買春がここでは行われているのです。
制作段階の女性への出演や性交の強要、過激さを求める結果の心身の危険、消費段階の家庭・職場・学校での視聴や模倣行為の強要、社会に流布する段階での女性を性的欲求のはけ口とする女性蔑視と差別の助長。
これらを学ぶにつけ、アダルトビデオを愛好する知事の本質とアダルトビデオの被害が符合し妙な納得をしてしまいました(納得している場合ではないのですが)。
自治体行政として、アダルトビデオについては被害を正す役割が期待されます。それを現知事に求められるかという話です。
五つ目に、今回の取り組みは知事の意識を変えるだけではなく、社会を変える取り組みだと思いました。
私たちが願う男性も女性も人間として尊重しあえる社会にするには、例えば「過去のこと」として片づけるのではなく、行為が引き起こされた本質を見逃さない視点が必要だと思うのです。
●こんなことを考えながら実施した今年最後のスタンディングでした。忙しい女性たちが思わぬことを経験する(させられる)ものです。(2023.12.20)