君嶋ちか子

●日本共産党神奈川県委員会と県議団で、神奈川労働局に対し、「神奈川県の最低賃金の大幅な引き上げを求める要請書」を携え、申し入れを行いました。はたの君枝衆議院比例予定候補とともに私も参加しました。

●要請項目は

1. 物価高の推移によっては最低賃金の臨時改訂を行うこと。早期に時間額１５００円の実現を目指すこと。
2. 業務改善助成金にとどまらず、中小企業や小零細事業者に向けた財政支援を含む支援策の実施を関係諸機関に働きかけること。
3. 最低賃金裁判で争われた「５つのごまかし」を是正することと併せて、全国一律の最低賃金制度の確立に向けて関係機関に働きかけること。

●中央最低賃金審議会は全国を三つに分け、Aランク（６都府県）４１円、Ｂランク（２８道府県）４０円、Cランク（１３県）３９円の引き上げを目安として示しました。引き上げ自体はもちろん歓迎なのですが、まだまだ十分ではありません。

物価高騰には全く追いついていません。

神奈川県はＡランクに位置付けられ、１０月から１１１２円になります。（ランクというのも何かイヤな感じですが）

●また、計算方法にも問題があります。要望項目でいう「５つのごまかし」とは、

①生活扶助費をその地方の平均額としているため生活費の高い地域では、最低賃金額が生活保護費以下となる。

②住宅扶助費を生活保護受給者の平均実績額としているため、上記と同様の問題が生じる。

③働く際の諸費用である勤労必要経費等が不算入とされている。

④全国一勤労所得の少ない県の税と社会保障費が収入に占める割合を使用しており、税と社会保障費が低く産出されている。

⑤月の労働時間について、フルタイマーの月間所定内労働時間実績は１５０時間余りだが、国の計算では法定上限の理論値１７８．３時間としており最低賃金が低く算出される。

●月間労働時間の用い方については、毎年国政要望でもただすことを求めています。この要請時にも私は重ねて求めました。

中小企業補助、全国一律の最賃設定とすることの必要性も強く求めました。１０月以降、最賃が一番低いのは岩手県の８９３円。神奈川県の１１１２円に比べると２１９円の差が生じます。この格差は地方の人材確保や地域振興の障壁ともなっています。

これらの求めに対し労働基準部長は「過去最大の上げ幅となった４１円を確実に位置付けていきたい」「再改定は困難だと思うが、この日の要望は本省にしっかり伝えていく」と回答。

引き続く課題です。(2023.9.14)