君嶋ちか子

●毎月第三水曜日は、黒岩知事に抗議する昼休みスタンディングを実施しています。

このスタンディングも６回目を数えます。つまり、私たちは合間に設けた大きな取り組みも含めて、６か月取り組んでいることになりますが、知事からは、要請や抗議に対して何の回答もありません。

「勝手に吠えていなさい」と言わんばかりの態度。自らの行為については「仕事でお返ししたい」といった以外は具体的な認識を全く語っていません。

それに対して私たちは、質問状を提出していました。

その質問項目は、次の３点（要旨）

１　黒岩氏の行為は、人権侵害・性暴力であるが、このことをどう認識しているのか。

２　自らの行為について、何がどのように問題であったか。

３　辞任についての考え示してほしい。

●スタンディングの後、これまで集めた署名（３０５３筆）の提出とともに。公開質問状への答えを求めました。

ところが、答えはまたもや「仕事でお返しします」のみ。「１と２についてはどんな認識でしたか」と畳み込むように担当者に聞きましたが、また同じ答えが繰り返されます。

「この質問に答えてください」とたまらず促すと、「知事には質問状を見せているが、これ以外一切答えていない」とのこと。

「あなたたちを通してでは答えが得られないのであれば、知事と直接話させてもらいたい」というと、「それは無理」と。

この日は、先方から録音したい旨の申し出がありましたから、このやり取りを知事本人に聞いてもらい、具体的認識を必ず語ることを求めました。

●性暴力などに関わって、日本社会は、この数年で大きく変わりました。伊藤詩織さんや五ノ井里奈さんの勇気ある訴訟もありましたし、フラワーデモも各地で続けられています。

これらの動きにも応えて、刑法の改正も行われ、「強制性交等」が「不同意性交等」に変わりました。犯罪を形成する要件が、これまでの「暴行・脅迫」だけではなく、「経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力」などの８項目に乗じて、行為を行ったものは、６か月以上１０年以下の拘禁刑に処することとなりました。

さらに最近、ジャニーズ問題がようやく明るみに出ました。

●これらの変化の中で、黒岩知事の問題もより意識されるべきだと思います。

「政治と私的なことは別」とか「たかが浮気」的なとらえ方も耳にしますが、私たちは黒岩氏の人権感覚や女性をどのような対象としてみているのかを問題としています。

あのえげつないメール５００通、さらにアダルトビデオを女性に度々買わせ、それを観ながら女性に屈辱的な行為を行う、女性が買えなかった時に放った乱暴な言葉等々、到底自治体行政の責任者と両立できるとは思えません。

この日の担当者とのやり取りの中で、「週刊誌が書いていること」という言葉もありましたが、黒岩氏は記者会見で事実関係を認めています。事実と違うのであれば、反論すべきです。それはせずに、都合が悪いとなれば「週刊誌でしょ」と否定するのはフェアではありません。知事自身のスタンスなのか担当者の主観なのかは定かではありませんが。

担当者には語る際の正確さを期待したいし、何より知事自身が語るべきです。

この「週刊誌」で片づけてしまう軽視やアダルトビデオに対する反応（「アダルトビデオを観たらだめなのか」という類の反応）などを見ていると、「遅れ」を改めて感じます。(2023.9.20)