君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

西加瀬プロジェクト、解体だけでも課題はこんなに |君嶋ちか子|前神奈川県議会議員

2023年5月30日

●懸案の西加瀬プロジェクト「解体工事・土壌汚染対策工事」説明会が、19日と20日の両日にわたって行われました。解体等を担うのは(株)フィールドパートナーズ。

工事は6月1日から、来年の4月まで予定されています。主な工事内容は1棟だけ残っている旧管理棟の解体、基礎杭などの抜き出し及び土壌汚染対策です。

旧管理棟解体についてはアスベストの安全な処理が課題となります。

●<土壌汚染対策>

当該地については、すでに土壌汚染状況調査報告書が出されていますが、揮発性有機化合物である第一種有害物質として、クロロエチレン・ベンゼンなど、重金属類である第二種特定有害物質として六価クロム化合物・フッ素及びその化合物などの存在が報告されています。

溶出量や含有量基準を超過している汚染個所は、この調査区画で335区画に及びます。

対象地の汚染は直ちに人の健康に被害が生じる状況ではないので、拡散を防止する方法で工事を実施するとされています。

*その一つは粘土を混合させた遮水壁の設置。

*遮水壁外側の溶出量基準に適合しない土壌汚染に対しては浄化剤を注入し濃度低減。

*遮水壁内側の汚染のうち、第二溶出量基準に適合しない汚染については、構造物・舗装・盛土による覆いをする。

●<工事中の環境保全>

*騒音・振動について常時監視を行うとしています。

*低振動・低騒音の重機を使用。

*粉塵発生部には常時散水。

*ゲートごとに交通誘導員を配置。

*作業時間は8時~18時、作業日は日曜・祝日を除く平日。

*周辺建物等の保全に関わり事前調査の対象は、工事現場から20mの範囲。

●これらの説明の後、参加者とのやり取りから示された主な問題は以下の通りです

*残っている杭は2500本、長さは4~27m。27mクラスは34本。

杭の抜出に関わる振動への懸念が多く出されました。

*事前調査実施の範囲について。

事業者から示された周辺の家屋調査の範囲は20m。これに対し、「50mまで対象を広げてほしい」という要望が多く出されました。

事業者は「この地域は地盤が弱いと聞いている。50mまで延ばせば、バスなど通常の振動の影響なのか、工事の影響なのか判断できなくなってしまうので行わない」と回答。(この理屈では通常の振動か工事の影響かの区別は、距離数の如何に関わらず、因果関係が不明となってしまう。これまでの振動で生じている影響か新たな要素が加わり生じた影響かを判断するのであれば、事前・事後調査は不可欠)

調査対象範囲つまり変化が生じた場合の補償範囲については、引き続く働きかけが必要です。

*汚染物質の実情は、住民には確認が困難です。したがって対応が十分か否かの判断も容易ではありません。これについては市の力も借りる必要があります。

私が疑問を持ったのは遮水壁です。囲いのように遮水壁をつくったとしてもその水は上か下に動きます、するといずれ上か下において遮水壁を超えて汚染物質も動くはず。結局、汚染物質は取り除くか分解させることが必要ではないのか、という疑問です。

●これらは、専門家の知見が必要となりますが、少なくとも解体業者の当初の想定に基づく判断だけでは、住民の納得を得ることはできません。

このように、解体だけでもたくさんの課題があります。こののち、土地利用・建築物・運営にかかわる規制等、取り組みは長期間を要します。 (2023.5.19)

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