君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

映画「雪道」、日本がやってきたこと |君嶋ちか子|前神奈川県議会議員

2023年5月27日

●昨年から是非見たいと思っていた映画「雪道」を観ました。

チラシの二人の少女の姿と「雪道」というタイトルが、とても心に残り時間を確保しておきました。

●二人の少女チョンブンとヨンエは、日本統治下の朝鮮半島忠清南道の江景に暮らしていました。チョンブンの家は貧しく学校に行けないのは不満でしたが元気に暮らし、ヨンエは学校で、「皇国日本に尽くす」ことを暗唱させられる毎日。

●ヨンエは、勤労挺身隊として日本に行くことを志願。ところが連れられていった先は、満州牡丹江の日本軍慰安婦収容所。チョンブンも家にいるところを襲われ、強制連行された先でヨンエと再会。二人は、暴行を受けたり日本兵の相手をさせられたりの日々の中でも希望を捨てず生き抜こうとしていました。

●日本の戦況が厳しくなると、満州部隊は硫黄島に移ることを命じられます。「現地補給品はすべて捨てること」という通知とともに。現地補給品とは軍慰安婦を指しています。

処分される日、ヨンエは異様な空気を察知し、異常事態の中でチョンブンとともに脱走します。

その時に受けた傷がもとで、雪道を逃亡する途上でヨンエは息絶えます。

映画は、高齢で一人暮らしをする現在のチョンブンの姿と交錯しながら進みます。

●あまりにも過酷。日本軍によって人生がすっかり変えられてしまった沢山の人々。命を奪われたり、生きながらえてもズシリと「日本軍慰安婦」を背負いながらの人生となってしまいました。心にも体にも深い傷を抱えながら。

教室における日本語と日本名の強制も、強烈です。どれほど悲しく屈辱的だったことか。

●これらは他国を力ずくで支配し、戦争を拡大させる中で引き起こされてきました。世界第三位の軍事力保持を目指す岸田政権の姿が重なります。

1991年に金学順さんが、日本軍慰安婦にされた被害を初めて告発、それから30年余り、まだ根本的な謝罪を日本政府は行っていません。

1993年に河野談話はあったものの、2015年の日韓合意は本質を覆い隠したものでした。

「最終的不可逆的解決」と称する日韓合意は、今後国際社会で互いの批判は控える、平和の少女像を解決(撤去)する、などを掲げ、被害者の思いにはほど遠いものだと思います。

そもそも真の謝罪があったならば、「不可逆的」などという言葉を偉そうに振りかざすでしょうか。今後批判を差し控えるなどといえるでしょうか。謝罪を踏まえた態度ではありません。

日本の加害の歴史を直視し、反省と謝罪が真摯に行われなければ、また同じ過ちが繰り返されません。(この高飛車な日韓合意締結時の外相は岸田氏だったんですね)

この映画を観ることを含め、多くの方に、日本がやってきたことを直視して頂きたいと思います。(2023.5.19)

新着記事

  • 過去の記事

  • facebook
PAGE TOP