君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

コスギアイハグ、予想以上にがっかり |君嶋ちか子|前神奈川県議会議員

2023年5月23日

●「川崎民主市政をつくる中原区の会」の皆さんとともに、川崎総合自治会館跡地に造られた新しい施設を見てきました。

市は「民間活力による整備・運営」を掲げ、東レ建設を代表とする共同企業体と跡地について定期借地権を結びました。そしてできたのが「KOSUGI iHUG(コスギアイハグ)」と称する施設。「農・食・健」複合型のコミュニティスペースと謳っています。

●三つの施設が入る敷地が、なんと年額276万円(月額23万円、賃貸マンションの一戸分相当でしょうか!)で貸し出されています。

かつ市はそのごく一部を、市の施設として120万円で借り上げていますから東レ建設などの持ち出しは年間で156万円。ため息が出ます。

●施設の一つは「シェアリングファーム」を掲げた「トレファーム」です。農業体験と銘打っていますが、テーブルの上で砂栽培の植え付けをするような感じです。

案内文には1回の利用1000円と書かれていましたが、担当者の説明では1500円と。

●続くのは「ダイニング棟」つまりは飲食店。

その2階を地域交流スペースとして市が借り上げています。

一番南側が「ウエルネスリビング棟」。子育てファミリーを支える総合型施設としています。

ところが産前産後ケアは、一泊59,400円~81,400円と高額。他にクリニックと一時預かりの保育園が予定されていたのですが、こちらは未入居とのこと。

●予想通りというか、考えていた以上にがっかりしました。

「都会にない体験をこの場所で」と呼びかけるトレファームは農業体験と言い得るのかという程度。

●ダイニング棟は、多くの飲食店がある小杉で、「公」がわざわざ格安の土地を提供する意義はありません。

二階の地域交流スペースは、月・木の午前中のみその一部を60歳以上の方優先としています。

これは市民の方が20年以上、この中学校区にはない無料で使える「老人いこいの家」を求め続けた結果です。

私は、この跡地利用の説明会などで、今回の民間に貸し出す方式には反対をしてきましたが、強行される中で、「市が老人いこいの家に相当する施設を借り上げ、市民に提供せよ」と求めました。それは、こんな限定された時間ではなく、他地区の「いこいの家」と同様にいつでも自由に使える独自の施設とすることを求めたものでした。

幅の狭い板切れを渡したようなベンチ式の椅子は、お尻が痛くなると利用した方が言っていました。また幅の狭さのせいか軽くて不安定なせいか、この視察メンバーの一人が座りかけて後ろに転落というハプニングが早速ありました。

使用の予約も市のHPからということで高齢者には使いづらいということでした。

安心して使えるように、またもっと自由に使えるように、市に改善を求めることは必須です。

●ウエルネス棟にある産後ケアは、望まれているとは思いますが、こんなに高額では、利用できる人は限られてしまいます。

自治体がやるべきは、必要とする多くの人が利用できるように、低廉に提供することです。「格安の土地の提供で、利用料を低く設定することでも考えてよ」と思いました。

●「民間活力」という言葉がよく使われますが、手段として有効なものを取り入れることはいいとしても、ここの様に市民の財産である市有地を民間に格安で提供するだけなら、市民へのサービスを犠牲にして企業のために尽くすことになってしまいます。

そもそも、私有地が空いたとなれば、かっこいい言葉など使わなくていいから、素直に住民要望に沿った利用方法を考えるべきです。

そこで暮らす住民の健康な暮らしを保障することは、自治体が優先すべき課題です。川崎市、原点に立ち帰れ! (2023.5.17)

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