●石田;学校給食費の無償化について伺います。
小学校で平均年間5万円、中学校で6万円の給食費は安くありません。給食無償化は全ての子育て世帯への応援になります。
学校給食法は学校給食について「食育の推進を図ることを目的とする」と規定しています。
学校給食は教育の一環であり、憲法26条(義務教育無償)の実現へ、教科書と同じように無償にするのは政治の責任です。
政府は1951年に「義務教育無償をできるだけ早く広範囲に実現するために学用品、学校給食費などの無償化を考えている」と答弁していました。岸田首相も昨年10月、小池晃参議院議員の質問に「自治体が補助することを妨げるものではない」と答えました。
県内で給食無償化を実施している自治体は箱根町、中井町と清川村の3自治体です。広域自治体の役割として県が給食費無償化を実施すべきと考えますが見解を伺います。また最低でも、千葉県のように一部補助で、市町村を支援できないか併せて伺います。
教育長;学校給食法では施設設備や運営にかかる費用は学校設置者の負担、それ以外の費用は保護者の負担、と定めています。このことから公立小中学校における学校給食費に対する保護者への支援は、学校設置者である市町村が判断するものと考えています。
現在経済的な困難を抱える保護者に対して市町村は、国の就学援助制度等によって学校給食費などの補助を行っています。また昨年来食材費が上昇する中、多くの市町村は国の交付金を活用して保護者の負担増を求めない対応を取りました。さらに学校給食費の保護者負担を無償化している市町村もあります。現時点で公立小中学校の学校給食費に補助する考えはありませんが、市町村の支援状況について県内市町村に情報提供してまいります。
●石田;加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度について伺います。
補聴器の平均購入額は約15万円、年金暮らしではとても買えないという声は多くあります。
2020年のアルツハイマー病協会国際会議では「予防可能な因子の中で難聴は認知症の最も大きなリスク要因」と指摘されています。
また、国立長寿医療研究センターのチームは補聴器をうまく使えば認知機能低下を抑制できる可能性を示したと昨年1月21日付高知新聞は報じています。
WHOでは中等度、41デシベルから補聴器をつけることを推奨しています。補聴器の購入費助成を行う自治体は広がり続け、今年度から助成を始めた相模原市は、補聴器の使用で、高齢者の社会参加や介護予防を促進するとしています。
高齢者の認知症予防、社会参加や介護予防の促進は、知事が推進している未病改善につながります。第1段階として、住民税非課税世帯の難聴者への補聴器補助制度を創設すべきですが見解を伺います。
また、認定補聴器技能者や補聴器相談医に関する情報を県民に適切に提供する仕組みが必要です。見解を伺います。
知事;県ではこれまで障がい者として認定された高度難聴者を対象に補聴器の購入にかかる費用の一部を負担してきました。高度難聴者以外の住民税非課税世帯高齢者の補聴器購入への補助制度については、認知機能への影響について十分なエビデンスが必要と認識しています。現在行われている国の、高齢者の補聴器利用による認知機能への影響を検証する研究の動向を注視しており、県独自の補助を実施することは考えていません。
また補聴器は補聴器相談医や認定補聴器技能者の関与が大切です。県では公益財団法人が公表している資格者等に関する情報を県のホームページで県民に提供しています。
*給食費無償化と加齢性難聴の補聴器購入への補助、いずれも情報提供にとどめる答弁でした。今回の報告はここまでとし、その3で医療体制の報告をします。(2023.2.22)