●午前中の平和行進から、午後は川崎駅に向かいました。
「JFEスチールの高炉休止に反対し職場を守る会」の宣伝行動と「ヘイト」反対の行動に参加するためです。
●JFEは2020年3月、突然「高炉休止」を発表しました。高炉は製鉄所の中核設備ですから、高炉休止は京浜製鉄所の閉鎖に繋がります。
高炉に関わる従業員は1270人、関連下請け労働者を合わせると4000人以上の職場が奪われます。取引先企業も含めるとその影響は計り知れません。また地域経済にも大きな打撃を与えます。JFEには約2兆円もの内部留保がありますからその活用を図り、経営努力をすべきです。
減産体制をとるとしても1基しかない京浜を止めるのではなく、高炉3基を擁する倉敷や福山で調整すべきと「守る会」では訴えてきました。
△既にJFEは、配置転換の希望を募っています。遠隔地への異動には応じられないという労働者は多く、早くも離職が相次いでいます。
この事態に対し、「守る会」では「職場を失う労働者への再就職支援」と「関連下請け企業や地域経済を守るための施策」も求めざるを得ず、労働局・神奈川県・川崎市などに申し入れを重ねてきました。
これらの結果、「JFEスチールの高炉休止に関わる関係行政機関連携本部」が3月15日に設置されました。このような連携が図られるのは、神奈川県内で例がありません。厚労省・経産省・神奈川県・横浜市・川崎市で構成されています。
△JFEは、神奈川県や川崎市から多くの助成も受けてきました。地域にも支えられながら発展してきました。とりわけ大企業には社会的責任が強く求められます。短期の採算性のみで、労働者と地域を投げ出すべきではありません。
宣伝行動では、これらを市民に訴えました。
●在日外国人などに、悪意ある言葉を投げかけ、差別を煽る、そんな行為が後を絶ちません。この日も午後2時からそのような行動の告知がありました。
数人の彼らを、警官が壁のように守り、その周りをカウンターと呼ばれる「ヘイト」に反対する人たちが取り囲みます。
日本共産党は東口正面で、「ヘイトスピーチを許さず、差別のない町づくりを」と訴えました。
△差別的な言葉や悪罵を投げかけることの不当性は、言うまでもありません。
私達が権力者に対して声を上げる事とは、根本的に違います。例えば憲法改悪をもくろむ首相に対してそれを批判するのは、言論の自由や政治活動の自由により守られるべきですし、憲法を変えないためには必要な行為です。でも、何も企ててはいない人達に対し、その属性をもって数々の悪罵を投げかけるのは、あまりにも不当な行為です。その悪罵を投げかけられた人達は、故なく人権を侵害され、大きく傷つきます。
このような行為は、当事者を傷つけるだけではなく、平穏な街に混乱と分断をもちこみます。
△朝鮮半島出身者が多く居住する川崎区では、差別と分断を持ち込む行為が繰り返し行われてきました。
2016年には「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)が制定され、大きな一歩を踏み出しましたが、禁止規定がないことなど課題は残っています。
ついで2019年には、全国で初めて刑事罰を伴う禁止規定を持つ「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が制定されました。「人種・国籍・民族・信条・年齢・性別・性的志向・性自認・出身・障がいその他の地涌を理由とする不当な差別的取扱」を禁じる規定があり、的確な活用が望まれています。
△一方で、これらをすり抜けるように、言葉や表現を変え恥ずべき行為は続いています。これらの根絶を心から願い私はいつも訴えていますが、法や条例の進化とともに願うのは、何よりヘイトスピーチやヘイトクライムを生み出す政治的土壌を無くしていくことです。
その第一歩は、日本のアジア諸国に対して行った侵略戦争を正しく総括し反省することから始まると思います。近隣の国や民族に対して行ったことを政府が謝罪し、互いに尊重し合える土壌こそ作らなければなりません。
●平和行進から始まり駆け足だったこの日は、いずれも今後に大きな課題を投げかけています。私は、JFEの雇用問題もヘイトスピーチをめぐる問題も、議会でも取上げていますが、自治体としての対応は未だ不十分です。
引き続き、皆さんの行動と連帯しながら、議会の役割を果たしていきたいと思います。
この後にも様々な行動や会議が続き、まさに「てんこ盛り」の一日を終えました。(2022.5.8)