●川崎市による、昨年の浸水被害についての検証結果報告会がありました。13日と14日の両日が上丸子小学校、14日に参加しました。他の地域も順次行われます。
密を避けるために、椅子の間隔は開けられ、申込制の為か参加者が少なく、少々寂しい感じも。
●検証結果として、この地域の山王排水樋管に関して指摘されたポイントは以下の通り。
A 気象予報通りに降雨があった場合、ゲートを閉鎖すると内水による浸水が生じることが分かったため、内水氾濫の危険を考慮した判断はやむを得ない(昨年の水害が将にこのパターンの結果生じています)。
B 操作手順は、降雨の場合またその恐れがある場合は、ゲート全開を維持することを前提条件としているが、河川水位と降雨状況により、ゲートを閉鎖すべき場合があることがシュミレーションにより明らかになった。
C 河川水に含まれる土砂の堆積による被害を考慮し、降雨がある場合の操作手順の見直しが必要。
ここで目が止まります。AとBは矛盾しているのでは…? Aに「当時の判断としてやむを得なかった。でも…」などの注釈がつきBに続くのならば、まだ理解できます。でもここでは並列させています。Cでは、操作手順の見直しが必要と言っているのですから、Aはますます並立させることが無理だと思うのですが。
●ともあれ、多くの市民が疑問視していた排水樋管の操作手順は、見直しとなりました。「降雨もしくはその恐れがある場合は全開を維持する」が「降雨の有無に関わらず順流を確認できない場合は全閉を維持する」に変わりました。
この点は妥当な判断だと思います。
でも、会場から「直しが必要と認めるならば昨年の操作の誤りを謝罪すべき」との意見が出た時に、何度繰り返しても謝罪の言葉に至りませんでした。この態度とAの表現は共通するのかもしれません。
●これらの評価の下に、短期対策として次の取り組みが示されています。
★排水樋管ゲートの電動化やフラップ機構付きゲート化。
★観測機器の設置(順流・逆流などを観測し開閉の判断材料を得る)
★遠方制御化(観測機器の設置及び開閉の電動化)
★排水樋管ゲート操作手順の見直し
★活動体制の見直し(応援体制構築のために下水道事務所の体制を見直し)
★内水排除のためのポンプ車の導入
●これらの改善は、一定量の雨量に対しては有効だと思います。でもそれ以上の雨になれば、ゲートを閉めたとしても巨大な水流が堤防を超えます。
これを防ぐ対策が求められています。その為には次の中長期的な取り組みを掲げました。
★川への流出抑制(雨水貯留施設)
★流下機能の調節(ポンプゲート・大規模放流幹線等の設置)
★流域変更
流下機能を上げるという点では、河道掘削や、川底の浚渫(この前日、国交省京浜河川事務所に求めた)などが、短時間で可能な工事となります。
是非、今年の水害に備えてほしいのです。再びの悪夢は誰も見たくありません。 (2020.7.14)