●箱根には、県議団として2015年の噴火警戒レベルが高まった時からかかわってきました。
この時も温泉の供給が止まったり、ロープウェイを動かせず、訪れる人が激減し、箱根には大きな打撃となりました。私たちも国や県に支援を訴えたり、地元業者の聞き取りにも伺いました。
この危機を何とか脱しましたが、昨年再び噴煙などが活発化し、思ったより長い噴火警戒レベル2の下で不安を強いられました。
やっと噴火警戒レベルが下がり落ち着いた矢先、2019年10月には台風19号に襲われました。復旧活動のさなか降りかかったのが、新型肺炎コロナウイルスでした。海外含め旅行客は遠のき、今また地域全体が危機の中にあります。
台風19号では私の地元中原区も大きな被害がありましたが、県内で大きな被害が生じた相模原と箱根の被害状況も深刻でした。しかも箱根は数年来続く困難です。
山田町議の要請もあり、台風被害の復旧状況、コロナ感染症の影響などを把握する為に現地に赴きました。
●その一つ、箱根登山鉄道の蛇骨(じゃこつ)陸橋の工事現場を確認できるところまで行きました。ここは、地盤が崩落し宙づりとなったレールが報道された場所です。約100メートル上からの土砂崩れの結果です。
箱根登山鉄道の復旧には約35億円かかるとされていますが、国と県が8億7500万補助、県負担分のうち1億円については町が拠出とされています。
運転再開については当初2020年秋とされていましたが、降雪や凍結が少なかったことなどにより、再開時期が7月下旬と早まる発表もされています。
東京電力の鉄塔が倒壊しかかった現場も下から仰ぎました。鉄塔周辺の土砂が崩落しています。
仙石原の山側斜面が崩落し、その直撃を受けた国道138号線。ここは県が急遽設けた仮設の橋で通行は可能になっていますが、完全復旧のめどはたっていません。広大な山肌が崩落の跡を伝えながら残っています。
いずれも、広範囲にわたるその土台を修復しなければなりません。県に進捗状況などの確認をし、一日も早い復旧を目指したいと思います。
宿泊業の方から、お話を伺いました。「続く災害の中で、町中が不安に包まれている」「コロナの収束の時期は不明でも、せめて箱根の足の確保をしてもらえないか。道路や電車の復旧が明らかになれば、気持ちは切り替えられる」と。
その方策として何点か示されました。
★箱根登山鉄道復旧が7月に早められたのは喜ばしいが、さらに一ケ月早め、6月24日の早雲山駅完成に合わせられないか。
★南足柄箱根道路の完成を前倒しできないか。
★箱根の魅力を知ってもらうために湯本から先にも行ってほしい。その方策の一つとして小田急フリーパスの割引きができないかなど。
いずれもいくつかの問題を抱え、容易ではないかもしれません。また南足柄箱根道路などは、反対の声もあることから、慎重な対応が必要となります。この道路もまた台風19号で大きな被害を受けています。
●コロナ感染対策として行動の抑制が求められる中、湯本・強羅・大涌谷いずれも閑散としています。昨年からの災いが続き、持ちこたえることが出きません。営業に対する支援が待たれています。
箱根の自然と景観、温泉を育ててきた箱根の文化、県民の貴重な財産であることをしみじみ感じました。この町の営業を守るために、政治の力を発揮させなければと思います。(2020.4.3)