●新型コロナウイルスの感染拡大で、問題が多方面で生じています。
感染症そのものへの対処に決定打がないこと、検査体制の不備、医療現場の体制不十分、営業・雇用を支える対策が極めて弱いこと、等が不安を増幅させています。
また、外出制限などにより生じている問題の一つとして、DV被害者の増大や深刻化が指摘されています。DVに限らず、女性であるがゆえにコロナ対策から取り残されがちな場面も多くあります。
これらについて、浅賀由香共産党県委員会コロナ対策本部長・ジェンダー平等委員会責任者とともに、県の人権男女共同参画課と懇談を行いました。
●同課窓口の相談件数は昨年とほぼ同数、コロナ感染の影響は、今のところ見られないとのことでした。
現在は、電話相談を主体として、必要に応じて来所を促しています。ライン相談も行っています。
相談窓口などの周知は引き続き行っていくとのこと。存在を知らせるカードを役所だけではなく、スーパー・コンビニなどにも置くことを提案しました。
●以下、主な要望。
▽緊急事態宣言の下でも相談窓口は閉めないこと。またその周知を図ること。←了解。
▽被害者が避難してきた場合には、一時保護を開始すること。←了解。
▽民間団体が一時保護を受け入れた場合、国や都道府県が経費を負担すること。←国が負担する。
▽シェルター等のスタッフや利用者から感染者が出た場合、所在地や個人情報が流出しないよう報道においても配慮を求めること。←留意している。
▽性暴力被害者への民間団体による相談支援活動などは公共施設閉館などで使えない。配慮を。←実態を把握する。
▽依存症自助グループのミーティングなどに使用する場が、公的施設閉館などで失われがち。場所の確保を。←実態を把握する。
●浅賀本部長は、県委員会に寄せられたメールなどを紹介し、実態を伝えました。
また、内閣府と厚労省は「新型コロナウイルス感染症への対応に係るDV被害者に対する適切な支援について」を発出し、今後懸念されるDV被害者の増加・深刻化を踏まえた対応を求めています。
さらに国連女性機関「UNウィメン」のアニタ・バティア副事務局長は、各国政府にコロナ対策において、ジェンダー視点を貫いた施策により女性を取り残さないことを求めています。
影響を受けやすい観光・レストラン・食品生産などの業種には女性の比率が高い、ヘルスワーカーに女性が多いことから感染リスクが高いなどの指摘もしています。
●県の相談などにはたどり着いていない実態があります。次のような訴えもあります。
「ネットカフェ等を利用する住居喪失者は、一日当たり東京都で4000人。またDVや虐待、自宅に居場所がない人たちもネットカフェを利用しています。緊急事態などによりネットカフェが利用できなくなれば、何千人もの人達が居場所を失います。避難が必要な人たちの住居確保と緊急シェルターなどの設置を」
「家にいることがリスクになる人々がたくさんいます」
「なかなか継続的な勤務につけず家賃を滞納。滞納だけでもなんとかしたいと風俗店に勤務、不特定多数の男性と接近する仕事で、感染が恐ろしくてたまらない」
●震災避難でもそうでしたが、女性の立場に立たなければ気付かないことがたくさんあります。また女性特有の危険やリスクもあります。この点では障害のある方の場合も同様です。特別な配慮と手当が必要です。
フランスでは、外出制限がなされた二日間でパリ周辺でDV件数が36%増加。この被害から逃れる人たちに対し、2万泊分のホテル宿泊を確保したそうです。なんと鮮やかな対策でしょう! (2020.4.4)