●決算委員会、私の質問3日目は、児童相談所を取り上げました。
虐待死などが起きている中で、児童福祉司は増員となっています。でも高度な専門性や実践の蓄積を必要とするこの職場は、その裏で、いくつかの問題も生み出しています。
●私は児童相談所で働く方などに、お話しを聞きました。その結果大きく分けて、生じている問題は三点です。
○1;児童福祉司は増えているが、チームを組むことが多い児童心理司が足りない。
○2;急な増員で、専門性の確保に困難が生じている。
○3;増員に見合うスペースが確保されていず、相談に困難も。
これらを中心に決算委員会で質しました。
●その結果、当局の答弁は以下の通りです。
○1については、今後留意していく、とのことでした。
○2について、私は、一般的な研修では不十分で、現場に寄り添い的確な判断などを可能とする体制が必要として、例えばOB・OGの経験活用などを上げました。これについては、当局も同じ構えでした。
○3についても、その為の工夫を検討中とのことでした。
●質問の冒頭で、児童相談所で抱える中心的な課題をきいたところ、神奈川県でも虐待に関わる問題が大きくなっているとのことでした。
虐待は、判断が困難な事例も多く、命に関わることもあります。問題の要因も、家庭機能の崩壊や保護者の就労の困難などのしわ寄せが子供に襲いかかっている場合も多く、まさに日本の貧困が集約されているといっても過言ではありません。
●そんな中で、子どもの人権が阻害されています。命を奪われるまでに至らなくても、その傷が将来に影を落とすことは少なくありません。
最も安心できるはずの家庭で、全身を委ねられるはずの両親に、命を削られることが起きていると思うと、本当に辛い…命を絶たれたこどもたちがどんな思いで死んでいったのかと思うと、胸がつぶれそうです。
私達は、この悲惨な課題を背負いながら、行政ができることを負い続けなければならないと思います。
●この日の委員会では、先の本会議質問でとりあげ、知事が「早急な対応を図る」とした加齢児のその後の経過も質しました。
加齢児含めた施設入所の待機者が前年度より減っている事、市町村担当者との連絡調整を意識的に強めていることが確認できました。
●知事が意地でも一歩も引かないヘルスケアニューフロンティア政策分野や、安倍政権の先取りともいわれている県立高校改革などでは、県民の声には耳を貸さない強引さが目立ちます。
それらに引き比べて、この日取りあげた児童相談所、障がい者福祉などの分野では、現場を知る方々の努力が感じられて、嬉しい気持ちになります。(2018.10.30)