君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

映画「コスタリカの奇跡」を探る

2018年10月13日

●評判の高い映画「コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家の作り方~」をついに見ることができました!
コスタリカ共和国、面積は九州と四国を合わせたほど。人口は約485万人。1949年、憲法により常備軍を廃止。

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1941年、医療保険や年金を管轄する「コスタリカ社会保険公庫(CCSS)」を設立。これは国の社会保障の主軸となっています。
CCSSの病院では、窓口負担はゼロ。
貧困者の年金財源も「非拠出基礎額年金制度」で確保されています。
1949年の新憲法78条で、就学前教育から高校までの無償化を定めています。

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アメリカに再三、再軍備を要求されながらも拒否し続け、1982年には永世中立国を宣言。

●日本とコスタリカはほぼ同じ時期に、軍隊を持たない憲法を手にしました。でも国のありようは大きく違っています。
日本は9条が危機に瀕し、世界一高いといわれる教育費に悩まされ、医療費負担も増え続けています。

●「コスタリカは、軍隊を撤廃したことにより、教育や医療を手に入れた」これは映画の中で何度も語られる言葉でした。
なぜ、コスタリカでこれが可能になったか?
世界が大恐慌にあえぐ頃、人権と社会保障を求める声に応えたのが、カルデロン大統領(1940-1944年)。彼は社会保障と労働法を整備し、福祉国家の基礎をつくったといわれます。共産党とカソリックの連立がこれを支えました。
これらを内戦を挟み引き継いだのが、ドンぺぺと呼ばれるフィゲーレス。

●フィゲーレスは内戦に勝利し、暫定政権を率いながら、常備軍放棄の憲法を制定。さらに、カルデロンの社会改革路線を進め、社会福祉国家を目指します。女性に参政権を付与、銀行や電力の国有化などを矢継ぎ早に。
フィゲーレスは、約一年で暫定政権(1948-1949年)を降り、社会民主主義政党の設立を支援、その後二度大統領(1953-1958/1970-1974年)にも選ばれています。

●日本国憲法制定後まもなく、多くの分野で逆行の動きが始まった日本と違って、コスタリカでは国内外で困難にさらされながらも、「非武装」は強く根付いてきました。インタビューに応え、次々出てくる言葉を紹介します。
*「軍に変わる武器に頼ってきた。それは国際的な法の枠組み。コスタリカは国際法で国を守る」
*「非武装中立のコスタリカを攻撃すれば、国際社会が黙ってはいない」
*「コスタリカには軍は必要ありません! 敵がいないからです」
*「コスタリカが軍隊を持つとします。そこへ米国が攻め入ってきたとする。相手のロケット1機が、我々の年間警備予算を超えるんですよ。それでも自衛軍を持ちますか? 単純に無意味なんですよ」
*「軍事費は無駄だから、教育や医療に回そう」

●それまでの歴史も憲法制定に至る経過も、さらに制定後も全く違う二つの国から何を学ぶか、非常に興味深いところですが、ここではスペースオーバー、次の機会に委ねたいと思います。
ただひとつ、昨年の核兵器禁止条約の国連採択に大きな役割を果たしたのが、エレンホワイト氏だったことを記しておきます。コスタリカ大使でこの交渉会議の議長を務めていました。
コスタリカが、実に大きく見えます。(2018.10.8)

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