●視察2日目午前は、岡山県立図書館を訪ねました。全国一の来館者数を引きつける図書館の秘密(?)を知りたくて。
岡山駅を降りてから県立図書館まで、横断歩道には必ずエスコートゾーンが設置されていたのが印象的でした。神奈川県ではなかなか見当たりません。県設置は十二か所しかないのですから。
前は県庁、後ろは岡山城、石垣の水際にも接した素敵な建物に心ひかれました。重厚感あり、されど威圧感無し、中に入れば外の広がりが感じられる気持ちの良い空間でした。容れ物もやはり大事、と改めて思いました。
大災害時には県庁のバックアップ施設として防災拠点施設への転用も視野に入れています。自然エネルギーとユニバーサルデザインを取り入れています。
●さてその内容ですが、来館者数は1,044,298人(神奈川県は326,556人)。一年間の購入冊数が東京に次ぐ2位で37,579冊というのも、意欲を感じさせます(神奈川県は4,727冊!)。収蔵能力は230万冊。
これらを可能にしているものは何か。★社会教育に重きを置く伝統が生きている事、★青少年の活動・子どもの読書に力を入れている事、が根底にあると語られました。
運営方針では、専門書・研究者の図書館という捉え方を超えて、県民に開かれた図書館を基本にしています。
そして来館者を引きつけているのが、★好立地、★心地よい建物、★配慮が行き届いた各コーナー、★蔵書冊数の多さ、★カウンター体制・相談体制の充実、★迅速を心掛けたシステム、★国会図書館にも評価されているという電子化・ネット化などではないでしょうか。
小学生が多く訪れるそうです。
そして嬉しいことに、この存在が刺激となったのか2002年の新築以降、市町村図書館十数館が新設となったそうです!
ほぼ一年ごとに司書を採用。経験領域の拡大と組織の活性化を図るため、県立高校や市町村図書館との人事交流も行っています。
●一階では、児童書コーナーが印象的。親しみやすさが感じられました。棚の高さは、二段~四段です。
読み聞かせが可能な部屋も用意されていました。
二階は、自然科学・社会科学の蔵書とともに郷土資料が充実し、郷土カウンター・郷土研究室も使用できます。多目的ホール・デジタル情報シアター・メディア工房も備わっています。
三・四階の自動化書庫は迫力がありました。
一階・二階の休憩コーナーやブラウジングコーナーで何より素敵なのが、高い窓を通して目に入るみどりと空です。
アーこんな図書館で、興味の湧くままページを開き、時間を過ごしたいなーという思いに駆られました。(2018.4.26)