●議会関係者が招かれる市や県の賀詞交歓会が続きます。1日5~6件重なることも多く、この時期は、綱渡りのような場面も少なくありません。
それぞれに思うところがありますが、川崎市社会福祉協議会の賀詞交歓会では、市長の挨拶にまた複雑な思いを抱きました。
「福祉の充実を期待します」という趣旨の挨拶でしたが、まるで他人事のように聞こえ、「エッ、この場合は、市が主役じゃないの? これじゃ社協も大変だよね」と思ってしまいました。
もちろん、社協も第一線で現場を担っていることは確かです。でも何より行政が主体的に、様々な施策の位置づけと体制を整え、全体として福祉の充実に繋げなければなりません。
●川崎市などから各社協に対し、時に丸投げのような状態もあり、社協も負担が大きくなっているのではないでしょうか。実際戸惑いの声も聞こえています。
「高齢化社会の下で持続性を維持させるために…」のうたい文句で「自助」「共助」が強調されています。地域包括ケアシステムなどその最たるものだと思いますが、これについても関係者からはため息が聞こえてきます。
国が地域にゆだねた格好のこの制度は、自治体の担当者にとっても、大変な負担ですが、さらに社協などの民間団体の負担にもなっています。
●各団体の皆さん、福祉には必要性も認め情熱も抱き、役割を担うことはやぶさかではないと思いますが、体制が不十分なところに専門性の確保もされず、あれもこれも担わされているのが現状です。
川崎市は、高齢者の医療・介護の連携だけではなく、障がい者・子供・子育て中の親・現時点ではケアの必要のない方等々を対象とした地域包括ケアシステムを目指すとしています。
この言葉の限りでは、きれいな言葉に聞こえるかもしれませんが、これは容易なことではありません。
病院や介護施設が十分になくても、地域包括ケアシステムがあるから大丈夫ですよと、言わんばかりです。それぞれの施設や受皿の必要性を曖昧にする役割を果たしそうです。専門性の確保も大いに疑問です。
「住み慣れた地域で暮らし続けることができるように」というもっともらしい言葉をまとい医療・介護を地域に押し付けた国の罪は重い!(2018.1.12)