●医師修学資金等に係る条例改正について
医師など確保するために、一定の要件の下に修学資金が設けられています。研修を終えた後、6年間県内で働くこととされています。この応募要件に県内出身者という限定を設ける条例改正が提案されました。
出身地によって資金貸付の機会を奪うことは適切ではないとしてこの議案には反対しました。
●公立大学法人となる県立保健福祉大学の中期目標(素案)について
「自主・自律的な大学運営」を謳ってはいますが、既に独立法人化された大学では、交付金が減らされ研究費が確保できない、評価委員会が示す中期目標の対応に追われ、自主的な研究・教育が困難、など弊害が数多く指摘されています。このような弊害を極力避ける為に、主に以下を質しました。
*大学院に新たにヘルスイノベーション研究科を設け、ヘルスケアニューフロンティア構想を担う人材を育てるという提案に対しては、大学は短期的な政策のための道具ではないと指摘し、本来の保健福祉大学の理念に基づいた運営とすることを求めました。
*柔軟な人事制度を用いるとしていますが、各大学で問題となっている非常勤職員の雇止め問題などを挙げ、不安定雇用を県が生み出すことがないよう求めました。
*「教員の教育能力の向上」として、授業内容改善の組織的な取り組みを行うとしています。これについても評価を得るための授業に陥らせることがないよう、また人事評価に繋げることがないよう求めました。
●介護人材の不足対策について
2025年に向けて介護人材の不足は約38万人、神奈川県については約2.5万人とされています。
この推定根拠について問いましたが、県として独自の把握を行っているものではなく、しかも現状認識も「需給は均衡している」というものです。私は実例を挙げ、切実な状態を訴えるとともに、実態を知るための調査を行うよう求めました。
また、介護人材不足の大きな要因は、低賃金と過重重労働であることをデータとともに示し、賃金の上乗せが可能となる県の制度を求めました。
●子宮頸がんワクチンの副反応被害について
一過性の軽易なものではなく、先々の障害を伴う深刻な副反応が生じています。まさに人生の変更を余儀なくされています。進学や就職もままなりません。私は被害者や家族の方に伺った実例を交えて、救済と支援に県も力を尽くすよう求めました。
これについては充実させていくとの答弁がありました。
●県立病院の業務実績評価について
経営基盤の強化を強調し、「病床の効率的な運用」「新規患者の増加対策」などが挙げられています。これらは医療の本来的な目的とは相いれないものとなりがちです。
「医業収益」の向上を過大に求めるならば、安心できる医療とは相反することになりかねません。ここでも、県民の医療本位の運営を可能とする運営費負担金交付を求めました。 医業収益を上げることをめざしている中で、職場には様々なしわ寄せが生じています。看護師の夜勤回数が増えている、残業が増えている、患者情報把握のために朝早く出勤しなければならない、残業代不払いが生じている、等です。これらへの対応を求めました。
県は、直接病院機構内部のことに関与しないとの回答でしたが、これについては引き続き、県の責任が問われます。(2017.10.2)