●11-13日の日程で、共産党県議団の県外視察を行いました。
初日は長野県立の知的障がい者施設「西駒郷(にしこまごう)」を訪ねました。駒ケ根市下平にあります。
●1968年開所。1977年の県社会福祉協事業団への業務委託を経て、2005年には、同事業団を指定管理者としています。
開所当初、入所定員500名の大型施設でしたが、2004年に西駒郷基本構想を策定し「5年間で250人程度の地域移行」の方針を決定し、これらを可能とする基盤をつくることとしました。以降265人の地域移行を実現しています。
●利用者の地域移行の推進支援と移行後の支援が、この施設の特徴です。移行に当たってのポイントは本人意向の確認です。
そのプロセスは、個別聞き取り調査による本人意向及び家族希望の把握→地域移行対象の人たちに対し、自活訓練・自治体験→宿泊体験・日中活動体験→地域生活移行の自己決定→地域生活移行という丁寧な段階を経ます。その後もアフターケア、再入所者(施設に戻ることを選択)への支援などを行っています。
意向に関わる意思確認が難しい利用者や保護者との意向が一致していない場合にも、これらのプロセスを経ることにより、自己決定をより確かなものにすることが可能になります。
●各段階で、食事の状態・夜間の状態(徘徊、静かにしていられるか等)・対人面・楽しんでいる様子がうかがえるかなど丁寧に見極め、支援の参考としています。
結果は、保護者への情報提供や移行調整会議の資料などに生かされます。
意向の確認が、単なる聞き取りに終わっていないことに感心しました。
●西駒郷の改善検討を機に県内にわたる地域生活移行への環境整備に着手しています。グループホーム整備では運営補助金を充実させています(通常の補助金1/2に加え、西駒郷加算1/6)。
西駒郷内でも、自立生活体験等の開設や自活訓練等やグループホームへの転換が行われています。
「日中活動・作業机」
「日中活動・音楽室」
●日中活動の様子、居住棟、グループホームの生活など見せていただきました。グループホームは木をふんだんに使い、天井も高い気持ちの良い建物でした。
今までの他の施設に比べて利用者のごく近くまで私たちを受け入れていただいたような気がします。
支援員の方に「今日はどうしたのかしら、普段に比べて(利用者が)とても和やかに接してきますねえ」と、言われたのはうれしいことでした。(2017.7.11)
「グループホーム外観」
「グループホーム居間」