●神奈川県議会には、常任委員会の外に特別委員会があります。特定の問題で審査・調査する年度ごとに設けられる委員会です。
今年度、私は経済・産業対策特別委員会に所属しています。第二定例会では、農業問題を取り上げました。
●神奈川県は、農業就業人口全国40位・耕地面積45位と規模は小さいですが、全国の中でも高い生産性を発揮しています。10アール(100平方メートル)当たりの収益全国平均5万7千円に対し、神奈川は9万5千円となっています。またキャベツ6位、大根6位、落花生3位、キュウイ4位など、全国順位で上位の農産物が結構あります。
●私は、質問で第一に神奈川農業が直面する主な問題点を問い、これについては農業人口の減少が挙げられました。
後継者減少の主な要因としては、職業選択が多様になっていること、所得が他の産業に比べて低いこと、の2点があげられました。私はその対策を問いました。
県としては、品種改良などの技術的支援を通じて、所得の向上にも寄与したいとの回答。また新しく就農した人に対しては、交付金を通じて経済的支援を行っているとのこと。
新規就農者に対しては、各種情報提供とともに、県立かながわ農業アカデミーで、農業の基礎から実践まで学ぶこともできます。
●県立かながわ農業アカデミーについても状況を聞きましたが、応募は増加の傾向にあり、後継者にとっても新規就農者にとっても貴重な場となっていることがうかがわれました。受講終了後は、就農が約6割ですが、他の修了生も農業団体や農業関連団体などへの就職が多く、農業関連の分野で得た技術を生かされています。
今後さらに充実させること、他県からの新規就農希望者に住まいを提供すること、などを求めました。
●従事者と並び農地が問題となりますが、耕作放棄地についても質問しました。県の耕作放棄地対策協議会の活性化とともに、市町村耕作放棄地対策協議会の設置促進も求めました。
●要望として、深刻な鳥獣被害については狩猟家の高齢化に伴い、狩猟家の育成が必要なこと、また後継者対策にもつながる問題として宅地並み課税や相続税評価の軽減などを求めました。
農業の技術的支援とともに、農業を維持するための税制など外的環境の整備は切実な課題であることを強調しました。
●各県などにおいて、規模の違いはあれ、農業をしっかり維持していくことは不可欠です。地産地消を含む食料供給の保障・県土の保全・良質な水源地の確保・良好な景観・防災など農業の役割は、実に多様です。
今回はあまり接点がなかった分野もあり、とても興味深い調査でした。税制はじめ今後の切実な課題も多くあります。国政とも連動して引き続き取り組みが必要です。(2017.6.29)