●神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下、かなフィル)による杉本・布施木解雇事件にかかる中央労働委員会第11回調査の傍聴に駆けつけました。
中央労働委員会で、和解協議が進んでいます。4月8日はその大詰め。
前回示されている和解案の主な内容は次の通りです。
(1) 楽団は神奈川県労働委員会で不当労働行為と決定された紛争が長期化していることについて、遺憾の意を表明する。また楽団は良好な労使関係を構築するため努力する。
(2) 楽団は本県解雇を撤回し、両名は楽団を退職する。
(3) 楽団は、解決金を支払う。
●これらについて、どのような方法で「遺憾の意」を表明するか、解決金をどのようにするかがこの日の協議の眼目です。
楽団への復帰がこの和解案では叶わないことが、最大の心残りですが、裁判にゆだねた場合に確保できる水準、最高裁も視野に入れた年数の問題、等を考慮し和解協議を受け入れています。
和解協議としては、楽団に不当労働行為を認めさせたこと、杉本さん・布施木さんの名誉回復を図るものであること、再発防止に踏み込んでいることなど、大きな成果といえます。
昨年11月26日、勝利の喜びに沸いた横浜地裁判決でしたが、この直後楽団側は、東京高裁に控訴しています。
あの喜びの場面を思い出しながら、私は皆さんの奮闘に敬意を表しつつ、複雑な思いがぬぐえませんでした。全く不当に解雇された杉本さん・布施木さんが、かなフィルに戻り、演奏する姿をどうしても見たかったからです。でも、現実の様々な事情の重みもよくわかります。
私はお二人の今後の活躍とともに、かなフィルが音楽と人間を大事にする楽団となることを、心から願っています。
かなフィルについては県が関与する機関として、本会議でも労使関係を正すことを求めましたが、引き続き取り組みたいと思います。(2016.4.8)
※この日、私は午前中のみの参加でしたが、協議は午後9時過ぎまで続き、勝利和解を勝ち取ることができました。11日には記者会見でこの内容が明らかにされました。