「電機大リストラ反撃の学習決起集会」が27日に開かれました。
●28万人ともいわれる電機産業のリストラがとまりません。440万人が働く電機産業は、日本最大の製造業です。下請け・関連企業を含めるとさらに影響は広がります。
リストラ対象となった人達の困難はもとより、地域経済を疲弊させ、さらに技術や企業の蓄積を失わせ産業基盤の崩壊にもつながります。
●私は、職業安定所の仕事を通じて大きなリストラを経験してきましたが、リーマンショック後のリストラに顕著だったことは、かつてとは違い、企業が労働者を解雇することに痛みを感じなくなってきたことだと思います。まるで競うかのようにリストラが繰り広げられました。
非正規雇用の拡大とともに、雇用の軽視や、労働者を「もの扱い」する労働者軽視が蔓延したことと無関係ではありません。ブラック企業を生み出す状況とも共通します。この点で規制緩和を重ねてきた政府の責任は重大です。
この状況を変えるには、個別の労働者を守る闘いとともに、リストラの応援団と化している政府を変えることが不可欠です。
私は連帯のコーナーで、こんなことを話させていただきました。
●ルネサス、日立に続き、東芝のリストラが進行しています。この日、東芝を中心に話された大木一訓先生の要旨は、以下の通りです。
東芝のリストラは、当初の1万6千人から3万4千人まで膨れ上がっている。
東芝は他の企業にはない特殊性も抱えている。一つは粉飾決算問題。この契機ともなっているのが、アメリカの原発メーカー・ウエスティングハウス社の買収。市価2000億円といわれながら、6600億円で買収し、その後アメリカへの政治献金を激増させている。
安倍政権との人的癒着も激しく、また経産省・外務省との天下り・天上りも多数。原発に固執し、原発拡大政策を国内外で安倍政権と共に推進。
東芝は、家電や成長株の医療機器分野の売却など総合電気事業の解体を行い、事業環境の変化や景気の変動に弱くなっている。そのうえ、短期の利益のみを求め、研究開発費・技術習得費・人件費などを削減し、長期の見通しが成り立たない状態。労働者・国民の側からの民主的規制、また国連やILOの基準活用など、積極的打開策が不可欠。
●面談と称する退職強要は、人権侵害そのものです。人格を否定し、生活を奪います。労働者には、働き人間らしい生活を営む権利があります。まして経営の不始末を労働者切り捨てで乗り切ろうとすることなど許されません。
労働者の暮らし・地域経済・日本の産業を守る、という力強さがあふれる集会でした。(2016.3.27)