神奈川県議会第三回定例会一回目の特別委員会が開催されました。私の所属は、「ヘルスケア・ニューフロンティア政策調査特別委員会」。
私の質疑の主な点を紹介します。
1 健康管理最高責任者構想の推進について
企業で健康管理責任者を決め、従業員の健康増進に向けた取り組みを行うとされています。75社がこの責任者の選出をしているそうです。今の大多数の企業の働き方の中で、健康に特化した責任者置いても実効性ある取り組みがどれほど可能か、働き方を大きく変える立場に立たなければ健康増進は困難と指摘しました。
2 京浜臨海部ライフイノベーションについて
川崎区の殿町、(株)いすゞ跡地に国際戦略総合特区の拠点として指定された広大な地域があります。その一角に県が土地を買い取り、企業に運営を任せ入居企業等を募っているライフイノベーションセンターがあります。
そのセンターおよび殿町地域運営協議会にかかわり、果たしている役割について質しました。
「グローバル企業による健康関連産業の創出」をうたうこの事業が、県民の福祉にどれだけ資するものか、県民のお金を使って行うことかを、これまでも疑問を呈しています。
「特区参加事業者には、施設(又は土地)の提供と共に、金融、税制上の優遇措置が」
3 「未病」の取り組みについて
「世界に発信」として知事が鳴り物入りで掲げる「未病」。9月~11月は月間として、国際シンポやキャラバンなどが取り組まれています。この取組もイベントにとどまっています。県民の健康を本当に考えるならば、「未病」概念の「ブランド化」などにお金と時間をかけるのではなく、県民全体の健康確保につながる、県民に直接届く施策を行うべきと指摘しました。
4 未病センターについて
県民が「未病を治す場」として、「未病センターカーブス小田原」を第1号店として認証しています。現在、未病センターの設置はこの1ケ所にとどまっています。
県民の健康増進を考えるならば、一つの方策として、地域バランスを考慮しながら使いやすい施設を設置することが必要です。また県が公共的に行うという点からは、企業の既存施設の名称を冠するのではなく、独自に公共性を明らかにしながら作るべきと指摘しました。
5 「規制改革」について
県当局も各会派も多くの論調が、特区を礼賛し「規制緩和のスピードを速めろ」という傾向にあります。また民営化を当然視する場面も実に多いのです。
「規制は本来安全確保や、弱者保護のために必要だからもうけられている。一部に見直し対象があるとしても、規制改革が正義という議論が多すぎる。この傾向に警鐘を鳴らしたい」と訴えました。特区として進められている外国人の家事支援労働者にかかる規制緩和を例として、具体的事例に即して慎重に対応することが必要であると要望しました。
国や自治体が果すべき「公」の役割を念頭に置かない傾向も蔓延しています。県の事業でありながら「採算性重視」や「儲かる産業化」に傾く議論も特徴です。(2015.10.5)