衆議院選挙の中で迎えた2月が嵐のように過ぎました。今回の衆議院選挙は、この国の仕組みが民主主義を大きく歪めていることを浮き彫りにしました。その一つが解散権の行使の問題、もう一つが小選挙区制度です。
解散権・・・専権事項なんてない
国権の最高機関である国会を、与党の都合のいい時に解散できる現状は異常です。いつでも解散ができる日本のような国は世界でも珍しいようです。
解散は「首相の専権事項」とよく言われますが、憲法にはそんな文言はありません。7条に天皇の国事行為の一つとして、「衆議院を解散すること」が記されているだけです。「内閣の助言と承認により」とされていますが「首相」の専権ではありません。
69条には「内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決した時は、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」と記されています。
かつて保利茂衆院議長は、69条について「立法府と行政府が対立して国政がマヒするようなときに、行政の機能を回復させるための一種の非常手段と考えるべき」とし、7条解散も「内閣の恣意によるものではなく、あくまでも国会が混乱し、国政に重大な支障を与えるような場合に、立法府と行政府との関係を正常化するためのもの」としています。
今回のような855億円の費用を用い、日本中に混乱を強いた自己都合解散を生み出さないためにも、解散にはもっと限定的な基準が必要です。濫用されないよう国民的議論を進めたいものです。
小選挙区・・・得票率と議席占有率はなぜかけ離れるか
「えっ!なぜこんなに自民党ばっかり?」と、選挙結果に驚いた方も多かったと思います。
今回は、「さな活」など政策抜きの「人気投票」の様相を呈したこと、これまで小選挙区でトップ争いをしてきた立憲民主党が中道改革連合になった結果支持を減らし、軒並み自民党トップを許してしまったことなどが、「自民党ばっかり」の要因だと思いますが、やはり制度の問題が横たわっています。
制度の問題とは、一人しか当選しない小選挙区制です。2位以下に投じた票は、全て死票になってしまいます。
比例代表選挙で自民党に投票した人は36.7%。ところが小選挙区と併せると議席は68%を占めました。完全な比例代表選挙で民意を反映した場合は、自民党170議席、日本共産党20議席となります。小選挙区制はこれほどの乖離が生じてしまうのです。
小選挙区制は1996年に導入され、30年にわたって民意を歪めてきました。今回は史上2番目に得票率と議席占有率の乖離が大きくなっています。
多数政党に実際以上の力を行使させてしまうこの制度の下で、着々と「戦争できる国づくり」が進められています。この制度の見直しは、民意の反映のための必須事項だと思います。(2026.2.28)
参考;小選挙区制導入(1996年)前後の自民党の得票数と議席数推移
| 得票数 | 得票率 | 議席数 | |
| 1993年総選挙(導入前) | 2.300万票 | 36.3% | 223議席 |
| 2026年総選挙(導入後) | 2.103万票 | 36.7% | 316議席 |

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