君嶋ちか子

●１９８５年７月２５日は、女性差別撤廃条約の日本における発効の日です。女性差別撤廃条約実現アクション（ＯＰ－ＣＥＤＡＷアクション）は、この日を記念して７月２５日を「女性の権利デー」としてきました。以来、全国で様々な行動が取り組まれています。神奈川では今年で２回目となります。この日は桜木町駅広場で、市民へのアピールを行いました。

●リレートークは、「選択的夫婦別姓制度の実現を」「選択議定書批准を早く！」「米軍の女性暴行事件を許さない」「共同親権制度の問題点」「コンビニに有害図書を置かないで」「業者女性の人権」「日本航空の争議解決を」「高齢女性の低賃金」「気候危機に立ち向かう」等々、切実な課題に溢れました。

私は「黒岩氏の人権侵害を許さない」との立場で次の内容を語りました。

ジェンダーに関わる問題が、今焦眉の課題になっていることを実感したアクションでした。

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なぜ知事の責任を求めるか

２０２４．７．２５

私は「黒岩知事の人権侵害を無かったことにできない女性たちの会」から発言します。

昨年４月の地方選挙投票日の３日前に黒岩氏の１１年間の不倫が週刊誌で報道されました。

直前でしたから期日前投票は既に行われており、知らなかったという人も多く、黒岩氏は知事に４選され、報道内容を認めました。

これについては当初から「たかが不倫」とか「過去のこと」という受け止めはありましたが、私たちは見過ごすことができませんでした。主に２つの理由からです。

一つは女性を性欲のはけ口としか見ていないのではと疑わせる態度です。黒岩氏からその女性に送り付けた約５００通のメールは口にすることもできないような卑猥な内容です。

そして１１年間の付き合いの後、「選挙に出るから」と言って一方的に関係を断ちます。人間的な愛情や葛藤などまるで感じられません。

もう一つは、アダルトビデオの問題です。

黒岩氏はアダルトビデオの愛好家で、AV女優を検索し「この子とこの子のビデオを買っておいて」と女性に指示していました。指定されたビデオを買えなかった時に、知事はその女性に「わざわざ来てやったのに、どうして買ってないんだよ！」と怒鳴りつけています。

ビデオを女性の前で見ながら、ひとりであるいは女性を引きずり込んで行為に及ぶ、その女性は『女性としての尊厳が踏みにじられているようで、本当に嫌で堪りませんでした』と述べています。

アダルトビデオについては多くの問題が進行しています。制作段階では実際の性交が行われており、法律違反の売春そのものです。脅しや騙しによる出演や演技の強制、過激さを求めるあまりの危険な行為も後を絶ちません。

消費段階では、ＡＶの視聴や模倣行為の強要が発生しています。黒岩氏もこの疑いがあります。ビデオの流通は女性の性的商品化を増幅させ、女性の地位の低下にもつながります。性犯罪も助長しています。

この２つの点から、黒岩氏は、青少年保護育成条例やジェンダー平等を推進する自治体行政の責任者として相応しくないと私たちは考えています。

この１年３カ月、黒岩氏には何を質問しても「仕事でお返しします」の一言しか返ってきません。県民の問いに応えない不誠実な態度ですが、そもそも傷つけられた人権は仕事一般で相殺することなどできません。知事に辞任を求めます。

またこの取り組みは知事の認識と行政の責任を問うだけではなく、社会の認識を変えていく取り組みでもあります。「男はそういう動物だから」的な男性の行為を容認する傾向もありますが、私たちは「鳥獣被害」は拒否し、優しさや理性をともなう人間関係を求めます。(2024.7.25)