●3月23日、神奈川では3回目となる「女性による女性のための相談会@かながわ」を、横浜で開催しました。
ここで「女性のため」としているのは、女性が、女性特有のケースも含め現在の社会の矛盾を色濃く背負い、貧困・いじめなどの困難を抱える女性が相対的に多いからです。
また「女性による」としているのは、男性には相談し辛い内容もあることと、それまでの経過から男性に恐怖を覚えてしまうという方もいることから、安心して参加できますよというメッセージでもあります。
●この相談会の特徴は、「相談」だけではなくヨガやマッサージ、カフェなどを設け、しばし「自らを癒してください」という場が設けられていることです。マルシェと称する生活用品等の提供の場もあります。
これは、公共職業安定所(ハローワーク)で相談業務に長く関わってきた私にとっても新しい発見でした。
「助かった」という声や、「ゆっくりできてよかった」「あたたかい雰囲気でホッとした」などの感想がこれまでにも寄せられています。
●今回、相談は32件(前回川崎は44件)。実行委員56人、当日ボランティア19人という状況。
全体的な分析はまだなのですが、私が担当した範囲では労働問題が少なくなり、精神的な困難を抱えるケースが増えていました。
ただし正確な比較はできません。というのも前2回は、全て相談担当でしたが、今回はインテークという予備相談を3回振られたものですから、様々なケースがあるのも当然ということになります。
精神的な問題では特に、なかなか特効薬のような答えにたどり着くことはできません。「それでも寄り添う人はいるよ」というメッセージにとどまることも少なくありません。
でも「話すだけでも楽になった」という方もいますし、両者ともにもがきながら歩むことから始まるのだと思います。
●今回、私として得た特徴的な感想は、主催する側と困難を抱える側が混然一体となっていることです。
ボランティアとして参加しながらカウンセリングを受けたいと、心理関係の相談をした方にインテークとして同席しました。
また、実行委員でもある非正規の公務員の方とお昼のお弁当を食べながら話しましたが、彼女も女性であること、非正規であることから生じていると考えられるハラスメントを受けて、辛い状況を抱えています。
「女性」「非正規」ともに、差別的扱いの対象となりがちな存在です。「そうかこの相談会に両者の垣根は無いのだな」と改めて気づいた次第。
●このような相談会が必要ない状態が好ましいとは思いますが、まだまだ生きる上での困難は続き、この相談会は求められていくのだと思います。
「安心して仕事と暮らしが営める」、そのうえで「納得のいく人生を送りたい」、こんな願いを主催者も参加者も共に追及していきたいものです。(2024.3.23)