10日(金)、議会運営委員会が行われました。その合間の同委員会打ち合わせを含め多くのの時間が費やされ、結果的には11日(土)の朝にまで及ぶという事態がありました。
● 共産党が、県民企業常任委員会のベトナム海外視察に反対を表明したことが発端です。今回の計画は「4日間の日程でベトナムの水ビジネスの視察を行う」とされ、費用は759万円余、13人の委員参加で一人当たり58万余となっています。
● 共産党は海外調査について、費用との関係からその必要性の判断は慎重に行うべきと考えています。また議会の「海外調査実施委員会選定指針」においても「県民福祉の向上に資する重要な課題」であることが必要とされています。
それらに照らして、「議会の水ビジネス視察は、県民福祉の向上につながるものではなく海外視察に反対」と県民企業常任委員会で表明したのです。
● それに対し自民党議員などから「福祉につながらない」との言葉は許せないと、撤回を求められました。共産党はその計画を評価しただけであり、撤回すべき事情はないのですから、当然ながら撤回要求には応じませんでした。
撤回要求をめぐり、朝まで会議が行われたというわけです。
● 更に13日(月)朝の団長会議において、「共産党とは、今後県内・県外含め視察は同行しない」との決定が行われました。それを受けて、各常任委員会正副委員長が共産党の各委員に「共産党は連れて行かない」という旨の伝達が行われました。
(神奈川新聞より転載、クリックすると拡大します)
<これらをめぐって>
○ 見解の違いが認められない?
共産党は視察計画に対して意見を表明しただけです。相手を侮辱したわけでも、議会の品位を汚す発言をしたわけでもありません。それを取り消せというのは、議会の発言の自由を奪うものです。見解の違いを認めないということにつながりかねません。私はその点に大きな危惧を抱きました。
○ なぜ同行できない?
海外視察に反対の意見を述べたことが、他の視察に及ぶことに疑問を持たざるを得ません。各委員会で示された視察案はもちろん全員参加の方向で準備も進められていました。それが突然「共産党は他の視察にも同行させない」になるわけですから。
団長会議の権限とは?各常任委員会の共産党排除の合理的理由は?などと疑問が広がります。
○ 今後は?
県政が住民本位であること、その為に議会は民主的に運営されること、これらは共産党が県議会に臨む基本的な事柄です。
各会派に意見の違いがあることは当然です。でも意見の違いを認めない、意見が違うから一切の行動を共にできない、とは考えていません。自治体の本来の役割、議会の在り方などを視野に入れ、今回の変則的な事態に対応していきたいと思います。(2015.7.13)