君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

マイナ保険証のリアルな実態 |君嶋ちか子|前神奈川県議会議員

2023年9月7日

●「なくすな保険証!神奈川県連絡会」の結成めざし、準備会が開催されました。

プログラムの一つ学習会の講師は、神奈川県保険医協会事務局の知念哲さん。基本的な事柄をすっきりと整理してくれました。

●その内容をおさらい。

健康保険証の役割

日本の医療保険制度は「国民皆保険」=いつでもどこでも、だれもが、少ない費用(自己負担分)で高度な医療を受けられるというのが優れた点です。

健康保険証は、医療保険制度に加入していることを示すための証明書です。

ところが、2022年10.13、突然河野太郎デジタル相は「2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」とし、今年3.7には保険証廃止法案が国会に提出され、6.2には成立しました。

マイナ保険証とは 「マイナンバーカードの保険証利用=マイナンバーカードを使った「オンライン資格確認」

マイナ保険証の手順

 ①カードリーダーにマイナンバーカードを読み取らせる。

 ②本人確認方法として顔認証を選択。

 ③カードリーダーのカメラに顔を映し本人確認を行う。

 ④医師等が他院の医療情報を閲覧することの可否を選択。

 ⑤資格確認が完了。

 ⑥カードを取り出し終了。

健康保険証にはないマイナ保険証への追加機能

医療情報の提供や閲覧

マイナンバーカードなぜ普及しないか

*マイナンバーカードの取得率2016年1月~2020年4月で16.0%。

 2022.5月時点で医療機関への導入率は19.0%(診療所は13%)

*医療機関で普及が進まなかったのはなぜ?

 ・メリットを感じない

 ・職員の負担が増加

 ・紛失等の際のリスクの増大

 ・医療情報の漏洩リスクの増大

*国民に普及が進まない理由

 ・メリットが感じられない

 ・今の保険証で十分

普及のために政府は

*医療機関に対し

 ・システム導入の初期費用への補助金

 ・カードリーダー(約10万円)を無償配布

 ・指定医療機関の指定取り消し(事実上の営業停止処分

*国民に対し

 ・マイナポイントの支給(カード取得で5000円、保険証としての利用申請で7500円、公金受取口座とマイナンバーの紐づけで7500円、計2万円)

 ・保険証の廃止=事実上のカード強制

その結果

*保健医療機関 ・薬局全体で準備完了施設数:20万1,878施設(88.0%)

*保有枚数:8,903万9,559枚(約71%) 2023.7.31時点

  

保険証廃止の問題点

*皆保険制度の根幹を揺るがす(強制加入の皆保険を任意取得・本人申請にしてしまう)

*無保険扱いが頻発の恐れ(更新漏れ・ネット回線のトラブル等)

*医療情報の流出・漏洩(資格確認システムと医療機関の医事システムとの接続はリスク大)

*マイナ保険証の方が負担減となる懲罰的ルール

システムの脆弱性 5月中旬

*マイナ保険証、他人の情報紐づけ7,300件超

*コンビニ交付で他人の証明書発行

*抗菌受取口座に別人のマイナンバー紐づけ 等々

トラブル続出 法案強行成立後も

*マイナポイント他人に付与

*マイナカード誤交付、各地で

*マイナポータルで他人の年金情報が閲覧可能に

*マイナ保険証の負担誤登録、17都道府県57件以上

*マイナ保険証の未登録、協会けんぽで約77万件

医療現場で多発するトラブル

*医療保険資格が「無効・該当なし」と表示される(一旦10割負担全国で1300件)

*データ上で表示される負担割合と健康保険証の負担割合が異なる

*窓口業務の負担増加

厚労省の対応策(ギャグかと思うほどひどい by君嶋)

*健康保険証を提示するよう指示

*自分でマイナポータルにアクセスし情報を確認

*負担割合が確認できない場合、年齢・職業・通院記録などから負担割合を予測

結 論

*マイナ保険証は、医療現場、患者・住民にとって”迷惑の種”

*運用できるレベルに達していない

*健康保険証であれば起こりえない問題ばかり

保険証存続が世論に

*報道は見直し一色(産経新聞・読売新聞も)

*自治体からも見直し・保険証存続の声(神奈川県、国に要望全33市町村と国保組合など。その他多くの自治体から国への意見書)

*自主返納が急増

*内閣支持率が急落(産経調査で保険証廃止に対し「延期+廃止」74.6%、「理解」は23.4%)

*保険証廃止の撤回を求める取り組み続々(国会前行動・国会議員要請・街頭宣伝・「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」等)

●この後、知念さんのお話はデジタル化が招く社会に及びますが、ここまでもかなり長くなったので、以降は次回に回します。(2023.8.31)

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