●10月19日、神奈川生存権裁判の判決言い渡しの日です。
決算委員会中で時間的には厳しかったのですが、この裁判に連帯したい思いから、横浜地裁前集会に駆け付けました。
判決を待つ原告団の人たちとともに短時間の集会、上野議員と私も挨拶をさせていただきました。
●この場所に原告団の方たちと立つと、私はいつも第一回口頭弁論の日を思い出します。2016年1月19日は、冷たいみぞれが横殴りに降っていました。
当時神奈川県では、最低賃金裁判、年金裁判とともに25条共闘がつくられました。私はそれを頼もしく思いながらも「このような共闘を余儀なくさせる、なんと非情な国だろう」と思ったものでした。
2013年8月から実施された生活保護費の基準引き下げは、憲法が保障する生存権の侵害に当たるとして、47人が原告となり、国と当該7市に引き下げの取り消しを求めた裁判でした。同様の訴訟は全国で20件以上提起されていました。
●みぞれの日から6年半、この日は澄み切った青空、参加者の顔は、これまでの闘いに確信を持ち、判決への期待にあふれているように、私には思えました。
傍聴したい思いを抱えながら控室に戻り、委員会の準備をしていましたが、その後Kさんから電話がありました。「勝ちましたよ!」という報せ。やったあ!と私は周囲に報告。
大阪・熊本・東京に続く4件目の原告勝訴です。この湧き上がる喜びの中で、あの法廷からかけてくる報告を聞きたかったあ。
●判決は、デフレ調整について、適切な分析や検証を行うことなしに厚生労働大臣が判断したことは、判断過程や手続きに瑕疵があり、生活保護法8条違反に当たると断じました。
そもそも国の財政を論じたとしても、生活保護費に手を付けるなど、政治が行うことではありません。
違法に引き下げられた保護費の下で、利用者はコロナ禍も加わり、さらに続いているかつてない物価高にもさらされ、この間ようやく命をつないできました。
そうだ、この間消費税の引き上げもありました。2014年8%、2019年10%の2回も!
「冠婚葬祭も控えた」「暖房費節約のため、布団にくるまって一日過ごした」などの陳述が思い出されます。
人間的な生活を奪っている現在の保護費、基準引き上げが本来必要ですが、せめて2013年引き下げ前の生活保護基準に一刻も早く戻すべきです。(2022.10.19)