●27日、多くの反対の声をよそに元首相の国葬が強行されました。
国葬反対の集会は全国各地で行われ、国会前集会には1万5000人が集まりました。
私も国会に駆け付けたいと思いながら、この日は団会議がありかないませんでした。そこで会議昼休みに、議会棟前で半旗掲揚を背景として、県議団国葬抗議のスタンディングを行い、全国の皆さんと思いを共有しました。
●この日の実態は記憶にとどめるべき。
*国内は約6千人に案内状を送り、国内外からの参加者4183人。
*政党党首が参加したのは、自民党・公明党・日本維新の会・国民民主党・NHK党・参政党、欠席は立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社民党。
*新聞社参加は、毎日・読売・産経・日経・共同通信・時事通信、不参加は朝日・東京。
*テレビは主要局すべてが参加。
*岸田首相は、追悼の辞で、元首相を「日本と世界の行く末を示す羅針盤として」とたたえ、「歴史はその長さよりも達成した実績で評価」と賛辞を送り、防衛庁の省への昇格、改憲手続法の制定など「憲法改正に向けた大きな橋をかけた」とし、安保法制や秘密保護法などにより「我が国の安全はより一層保てるようになった」と礼賛。
*テレビ東京が5分間の報道にとどめた以外は、各局が「歴史的1日を完全中継」(日本テレビ)、「総力生中継」(TBS)、NHKは3時半までの予定を4時過ぎまで延長。途中に挟むコメントも安倍政治礼賛。
*自衛隊も大規模に動員。
陸上自衛隊は弔砲を19発。
軍歌「国の鎮め(靖国神社式典曲)」と皇族に対して「悠遠なる皇御国」を演奏。
自宅を出た遺骨は、遺族の意向で寄った防衛省で幹部自衛官の見送り。遺骨は、遺族、首相、自衛隊儀仗隊員と渡され式壇に。ここでも自衛隊の突出は異常です。
●赤旗が一面で大きく抗議したのはもちろん、東京新聞論説主幹は「首相の浅慮により、国民を分断し、儀式から静謐を奪った。その責任は多数の国民の意思に背き、国葬実施に踏み切った首相にある」と断じました。すべての世論調査で国葬に反対は50%を超えていました。
これら国民の声を踏まえることが必要です。
ところが、式場とその周辺は、ここぞとばかりに安倍元首相を最大級にたたえ、自民党政治と自衛隊の一大パフォーマンスの場となりました。報道も一部を除き政権の狙い通りの役割を果たしました。
「国葬の本質を見た」と思いました。
ある国民を特別扱いし命に差をつけるだけではなく、また弔意を要請し個人の思想信条を侵すだけではなく、時の政権が国民を誘導するイベントと化しました。戦争できる国づくりの歩を進めたのでした。(2022.9.27)