●参議院選挙投票日の後は休む間もなく、11日は団会議、12日は文教常任委員会と続き、質問準備などに追われました。
文教常任委員会のやり取りは以下の通り。
【菅前首相講演問題を真摯に受け止めよ】
本会議で素通りされた点を引き続き。
瀬谷西高校の生徒に、今回の事態をどのように説明しているのかを問いました。菅前首相の都合で6月13日に決まったにもかかわらず、「スケジュールの都合」として中止とされました。
県立高校において菅氏一人が講演するという事に対し、私たち県議団も政治的公正さが保てないとし中止を求めましたし、300件近い苦情や抗議、12件の要請文が教育委員会と学校に届けられていました。何故、このような抗議の声が届けられたかを生徒に伝える事こそ、生きた学びとして必要と指摘しましたが、答弁は「菅氏のスケジュールの都合のみ伝えた」と不十分なもの。
生徒が今回の件をどのように捉えているかも問いましたが、「残念だ」とのみ。
教育委員会として、抗議や申し入れをどのように受け止めているかも問いました。答弁は「発表の仕方をもっと丁寧に行うべきであった」と。
私は、発表の方法に止まらず、教育基本法14条2項「学校は特定の政党を指示し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」を、より具体的に踏まえることを重ねて強調しました。特定政党だけではなく複数の講師とする等の配慮が必要です。
【県立高校統廃合は行うべきではない】
県立高校6校が統合され、3校の新設校となります。6校は何れも県が適正規模とする一学年6~8クラスの学校です。また地域からも愛着を持たれています。更にコロナカ禍で少人数授業が必要となったり、少人数学級が求められている中で、教育拠点を安易に手離すべきではありません。
これらの点から廃止すべきではないと質しました。
「小規模校は、事務分掌上負担が増すので、全体として減らしていく」との答弁。
【総括校長制度の導入に疑問】
県内を5地域に分け、また特別支援学校全てを対象とし、6人の総括校長を配置するとの提案がありました。新任校長の相談や人材育成を目的とするとのことです。
既に導入されている東京都の関係者に聞きましたが、「教員の階層化が進んでいる」「教育委員会の顔色をより伺うようになった」「ものが言えなくなった」などの報告がされています。これらの声を紹介しながら慎重な対応を求めました。次の議会で議案になると思われます。
【インクルーシブ教育、障がいのある生徒の学習権の確立を】
このテーマは本会議でも取り上げているのですが、現状を素通りする答弁でしたから、再び取り上げたかったのですが時間切れ(私の時間は答弁含めて20分)で、今回もごく一部の質問に止まりました。
インクルーシブ教育実践推進校はスタートの当初、「みんなの教室モデル事業」を実施している自治体の中学校と連携しながら進めてきました。インクルーシブ推進校で学ぶことが適切なケースかどうかなどを判断するためですが、その結果、地域が限定されていました。
今回、地域要件を撤廃するとしています。
これまでの配慮が保障されるでしょうか。答弁は「これまでの経験を活かして」という事でしたが、量的な拡大を追求する一方で、個別の学習権が蔑ろにされていないかとの危惧が拭えません。(2022.7.12)