●民主市政をつくる会主催で、川崎市予算を分析する学習会を行いました。
●最初におおば裕子市議より報告。
川崎市の特徴は図-1・図-2の通り。
政令市トップの財政力指数、減債基金が2529億円で政令市平均より約500億円多い等々、久しく同じ指摘が続いています。
豊かな財政の下で福祉予算を削り続け、市民が望む施設の新設・増設計画は無し。市民に寄り添わない姿勢が浮かび上がります。
●最近の特徴は子育て世代が市外へ転出していること。
2020年の市の人口動態では、0~9歳で1937人、35歳~44歳で1427人の転出超過となっています。この原因は「子育て施策が遅れている」ことにあるという調査結果が出ています。
その象徴的な例が小児医療費助成制度。川崎市は小学校6年生までで、県内市町村は固より、東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県の中で最下位。中学校3年生までは常識のようなもの。高校3年生までの助成は、東京都はすべて、他にも少なからずあります。
この点では、私も後から補足しましたが、神奈川県も制度補助が首都圏で最下位です。
神奈川県は、県内市町村に対し、小学校入学前までの医療費について、4分の1(川崎市など)、3分の1、2分の1と3段階の補助率を用いています。
対象年齢においても補助率においても、首都圏最下位です。拡充するよう何度も知事に求めていますが、知事は「国が行うべき」と。
県の下支えが拡充されれば、市町村の制度拡充はより容易になります。
●市古次郎市議は、市予算の前進面について報告。
*コロナ関係では、教職員と保育従事者に対して、引続き定期的PCR検査を行います。
*医療的ケア児の受け入れを、従来の7園から、2022年度14園、23年度21園に拡大します。
*「子ども発達・支援センター」を新たに宮前区と多摩区に開設。
*認定保育園の家賃補助対象を拡大し、全ての認定保育園に対し、月額30万円の家賃補助。
*横須賀線小杉駅新改札口に対し、整備費として2億円を支出。
*渋川沿いの老朽化した桜の抜根費を計上。等々
これは前進といえるものではなく、問題点ですが、
*等々力緑地再編整備実施計画(指定管理者制度の導入とともに、球技専用スタジアム・新等々力アリーナ・駐車場についてはコンセッション方式を採用)
貴重な緑地が、採算性の下にもみくちゃになりそうで、残念です。
●その後、参加者からの発言がありました。
*西加瀬巨大物流倉庫について
2019年11月、大和ハウス工業が、東京ドーム2個分の物量倉庫建設を発表。21万3200㎡の延べ床面積は日本最大級。住宅地でありながら、一日大型トラック800台、その他車両700台、併せて1500台が24時間稼働することが想定されています。
地域住民の不安は高まるばかり。縮小を含めた見直しを求めています。
*自治会館跡地利用について
今井中学校区には、他の中学校区にある老人いこいの家がありません。20年前から住民は設置を求めています。かつての消防署跡地は、医師会館に。そして自治会館跡地も町内会なども加わり、老人憩の家や保育園の要望が粘り強くとりくまれていましたが、市は民間活用を図り、その願いはかなえられていません。
*ワンルームマンション建設について
井田三舞町で工事が始まっているマンション建設、基準法さえクリアしていればという姿勢で地域対策専門の会社が、近隣住民の要望を交わしているといった状態です。
おおば裕子市議と私も一貫して関わっていますが、川崎市の対応も不十分です。
近隣の方は、▼この地域対策専用の企業を介在させることをやめさせてほしい、▼住民とマンション事業者は同じ住民として、住民に寄り添わない町づくり局の見直し、▼ワンルームマンションを規制する条例の制定、等を求めています。
このままでは住環境はどんどん悪化してしまいます。
●市の状況と、切実な住民要望が報告されました。
川崎市が、住民要望を受け止め、市民の財産である市有地の活用を図る姿勢に立てば、市民の暮らしは、大きく変わります。安全や安心を得て、日々の暮らしを心穏やかに送ることができます。自治体のあり方がますます問われます。(2022.4.23)