●遅くなりましたが、議会最終日の報告です。
●本会議では、次の7議案に反対し、これ以外の22議案には賛成しました。
*補正予算(20号)、県立高校改革の一環で瀬谷高校と瀬谷西高校の統合に伴う工事予算が含まれています。私達は、地域における学校の役割、通学の便など地域にバランスよく存在する意義、また少人数学級への対応などの点から、統合には反対しています。
*県の事務処理において、マイナンバー利用の対象を広げる条例改正案に反対しました。情報の流出の危険性、行政による個人情報の一元化は監視社会に繋がるとの危惧からです。
*三浦しらとり園の条例改正案は、障がい者支援施設の指定管理者をこれまでの社会福祉法人以外、社会医療法人にまで拡大する議案です。指定管理制度には問題があるところですが、その対象を拡大する意義は見いだせず、反対しました。
*県立障がい者施設を新たに指定管理制度に委ねる条例改正案にも反対しました。この制度の下では、指定管理料の削減が進められ、処遇悪化や雇用の不安定化を招きます。また福祉の公的責任、県施策の充実という観点からも直営で行うべきと考えています。
*無料低額宿泊所の条件を緩和し、サテライト型の設置を可能とする条例案にも反対しました。「住まいは人権」を堅持し、家賃補助制度、県営住宅の増設など、住居を失わない施策を拡充すべきです。
*補正予算(21号)は、「ワクチン・検査パッケージ」の運用に関わり必要な検査体制を整備する予算案です。「ワクチン・検査パッケージ」を用いながら活動すること自体には、一定の意義があると考えていますが、PCR検査無料化を、健康上の理由によりワクチン接種しない人に限定している点が問題です。
国も県も、ワクチン接種は強制ではなく、人権上の配慮を行うとしているのですから、考え方により接種しない人にも検査を無料で保障すべきです。(この点は代表質問でも取り上げました)
職場などで接種が強要された場合、生計が断たれる危険性もある訳ですから、ワクチンが義務化される流れに与する訳には行きません。またPCR検査は、いつでもだれでも受けられる条件を整えるべきです。
*号給の高い職員の給与月額を、国家公務員の水準に合わせて引き下げることが提案されました。4年間は現給補償の仕組みはありますが、それ以降の条件引き下げに繋がります。この2年近く、コロナ対策を初め大変な苦労をしてきた職員の方に、引き下げを強いるなど逆行です。
●次に請願です。
「教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」、「教育費の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」、「地球温暖化を防止するため議員の車両リースの廃止を求める請願」(政務活動費で認められている車両リースをやめて、公共交通を基本とすべきとの主旨、必要に応じた一時的なレンタルはあり得る)の3件に賛成しました。
「教育費の公私間格差…」のみ神奈川ネットも賛成でしたが、それ以外すべての会派が反対!本当に反対の理由を聴きたいものです。
それ以外の請願3件は政務活動費関連で、議会運営委員会で「継続」となり、その結果について反対しました。つまりこの請願は採択すべきというのが私たちの立場です。
その3件とは、政務活動と他の活動が混在する場合の按分の基準と上限を決めるよう求めるもの、ネット公開された政務活動費閲覧の際、議員名検索を可能とし、支出伝票も閲覧可とするよう求めるもの、政務活動費の事務所費について、賃貸借契約書のコピーの添付を求めるもの、です。
この当たり前のことが、採択されないのが残念です。
●最後に意見書案についてです。
*共産党は次の意見書案を提出しました。
「政党交付金の廃止を求める意見書案」「石炭火力発電所の新増設計画の中止を求める意見書案」「選択的夫婦別姓制度の法制化に関する意見書案」の3件です。
3つ目は、もちろん法制化すべきという内容です。これなど自民党以外全て賛成してもいいような内容ですが、そうはならないのが、神奈川県議会の不思議。3件とも共産党以外すべての会派が反対。
*自民党提出の決議案に反対し対案を提出したのが、「日本人拉致問題の早期解決に向けた取組を推進するための決議案」。国内の世論形成だけではなく、具体的な外交交渉を求めたものです。
*公明党提案の意見書「高齢者の雇用を促進するための環境整備を求める意見書案」には反対しました。理由は、同案が「多様な働き方」の名の下に、高齢の方の働く場にもフリ-ランスや、有償ボランティアなどを推奨する流れに与する懸念があったからです。労働法制などからも見放されがちな働き方を持ち込むべきではありません。
●以上長い報告を読んでいただきありがとうございます。請願や意見書に対する態度も御注目下さい。(2021.12.17)