●コロナ感染症の拡大の下、緊急事態宣言やまん延防止重点措置の再延長を余儀なくされ、国民の6-8割がオリンピックの延期・中止を求める中、政権はオリンピックを強行しようとしています。
それに伴い自治体においては、生徒のオリンピック動員の取り組みやライブサイト設置の動きがあります。人の流れを少なくすることを各所で求めながら、オリンピックのみ、特別扱いとし、様々な人を集める場を設定することは、感染リスクを増大させることから、行うべきではありません。
日本共産党県議団は、県委員会とともにこれらの中止を求める要請を行いました。要請項目は4つ。
●第一、県は、小中学校などで進められている「五輪観覧の中止」を求めること。
回答 オリパラの素晴らしさを知ってもらうために、学校の意向を確認したうえで学校連携チケットの取り組みを進めてきたが、実施についてはキャンセルも可能とし検討する。
第二は、6月28日から予定されている聖火リレーで、生徒をサポートランナーとすること、出発式の観覧(川崎では、10校3900人を予定)、及び服装や靴についてスポンサー企業製品の押し付けをやめること。そもそも聖火リレーはやめるべき。
回答 組織委からスポンサー企業の製品を身に着けるという要請は、受けていない。だが、スポンサーへの配慮から他のメーカーのロゴが無いものか、ある場合はテープなどを貼り隠すことを求められている。
聖火リレー出発式などの参加は市町で企画しており、市町の判断となる。
第三は、パブリックビューイングやライブサイトの計画(片瀬東浜海水浴場・小田原城址公園・横浜市庁舎・横浜文体・藤沢市役所)を中止すること。
回答 日程の短縮は考えている。観客数の上限などを含め、安全・安心が確保できるか見据えたうえで、6月中には決定したい。横浜・藤沢は市が主体となっている。
第四は、オリンピック開催の中止を国に求めること。
回答 IOC・JOC・東京都などが決めていく。会場となる自治体として、安全な大会となるよう取り組む。
●これら県の基本的な見解に対して、次のような発言がありました。
* セーリングの会場である江の島まで炎天下を会場まで行き、熱中症対策としてプレハブを建てエアコンを設置すると聞いているが、これはコロナ前の計画であり、見直す必要がある。感染が発生したら誰が責任を取るのか。
県コメント これからも辞退はあり得る。キャンセル料は3月から発生するとしていたが、その時期は延ばしキャンセル料は発生しないようにする。
* 国立競技場や、ハマスタなど各地で人の移動が大規模に発生する。大変なリスクを負い禍根を残す。
* 選手などにコロナが発生した場合、病床は優先されるのか。
県コメント 基本的には県民と同じ対応。
* 中止要請などは来ているか。
県コメント 個人から80数件受けている。
●私は、主に次の点について。
* 無観客を検討しているような状況の中で、わざわざパブリックビューイングやライブサイトを設けて人を集めることを公的機関がやるなどあり得ない。絶対に止めるべき。
* 藤沢では「スポンサーとお金を出していない企業に差が出ることは当然」との発言もあったし、今日も「スポンサーへの配慮」との発言もあったが、参加する子どもの服装にまで制約をかけるのは、物事を歪める。子どもに、自分のロゴを隠さなければいけない理由として、お金を出さない企業の服だからだと説明できるのか。
* オリンピック開催についても、住民に近い自治体として状況を伝え、国に中止を求めるべき。また第1~第3については、自治体の判断で自主的にやめる事ができるものだ。聖火リレーを中止した千葉県の例もある。このような自主的判断を一日も早く行うべき。
全体として、中止などの明言はなかったものの、私たちの意見にはそれなりに道理を認めていたように思います。
今後も働きかけが必要です。
この要請は、神奈川新聞でも取り上げて記事になっていました。(2021.6.7)