●10日ほど前に民医連と懇談をしています。看護学生の学習環境を保障することを目的とするものです。
今回、本会議質問の準備のために、その時の資料を見返しています。
全日本民医連は、昨年9月に看護学生の実態調査を行っています。その神奈川版が資料として提供されました。神奈川版と全国版はほぼ同じ傾向を示しているとの事。
以下神奈川版に沿って懇談しました。
●<想像以上に貧困が進んででいます>
*以前よりも親の経済力があてにできない。それどころか親への仕送りまでしているケースがあるのにはびっくり。(経済的困難が、学生にとどまらず日本全体を覆っています)
*アルバイトなどに追われ、勉強に専念できない。
*朝食を食べられない学生が増えている。
*炭酸水を飲んで空腹を紛らわす。
*教科書買えず、コピーをとる。
*学費が高くなり、学費が少しでも安い県立・市立しか受けられなかった。
*学費が奨学金では賄えない。
*アルバイト禁止の学校もある中で、53%がアルバイトを行い、一日の労働時間が7時間以上の生徒も。
*実習時にさえアルバイトをせざるを得ない。
●<授業等については>
*まともな授業が行われていないのに、学費が一円たりとも返還されない。
*大学がオンライン授業しか行っていないので、タブレット購入が必須。
*実習受け入れ医療機関が少ない。
*コロナで益々実習の機会が奪われている。
●<これらの状況を抱え、要望としては>
*学費の減免
*この期、授業が行われていない間の学費の返還
*実習ができない事態に配慮した対応を
●民医連として、神奈川県に対して、以下の要望を検討中。
*看護師養成の観点から給付金制度を。
*神奈川県の「看護師等修学資金貸付金」の拡充。
*情報環境の整備・通信料負担等に支援を。
*学費の減額・免除が可能となるような支援を。
*実習受け入れが可能となるように、介護施設や医療機関に対して支援を。
●コロナ禍のもと、医療を懸命に支えている看護師の不足が顕著です。神奈川県は看護師が最も不足している県です。看護学生を支えることは県民要求でもあります。
大阪府内の看護学校2校が、コロナのさなか、閉校を決定したとの報道に慄然としました。要因として、公的補助の削減・志望者の減少が挙げられていました。
志望者のことを、懇談の中で質問すると、神奈川では減少していないという事で、少し救われた気持ちになりましたが、公的補助の拡充は神奈川県でも課題です。
今も看護師不足があちこちで切実です。そしてこの大変な仕事は、即席で間に合せることはできません。
看護学生が学びに専念できる環境を整備することは、社会的使命でさえあります。(2021.1.19)