◎ 第三定例会後半の常任委員会が始まりました。
産業労働委員会で私の質問時間は、答弁含めて20分。
以下、質問メモを要約しながら、答弁を書き加えました。議案は皆さんにあまりなじみのない問題かとは思いますが御覧下さい。
●1]地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)定款の変更について
(1)議案は、公的研究機関である同研究所定款の「業務の範囲」に「成果活用事業者の発行した株式又は新株予約権を取得・保有できることを規定する」とされているが、この変更の目的は?
答弁;KISTEC発のベンチャー企業の財政的支援を行うため。
(2)株式取得をする場合の金額的な目安を設けているか?またその資金は、KISTECの内部費用で賄われるのか。
答弁;目安は設けていない。内部費用で行う。
(3)前回の常任委員会で「リスクの大きい時期には新株予約権を行使しないので、損失は生じない」また「収益が目的ではなく、あくまでも支援である」と答弁しているが、間違いないか。
答弁;その通り
(4)支援が必要なのは、立ち上げ時であり、その時に出資しないのであれば、財政的支援の意味をなさないのではないか。
答弁;知的財産権の管理、その他のサービスを行う。
[まとめ]として、次の点を述べました。
・KISTECは金融機関や投資機関ではない。
・基礎研究から実用化、さらに技術支援を行うという公的研究機関本来の技術的支援に徹するべき。また、新株予約権の取得などを伴わなくても、技術的支援は可能。
・資金的支援は、KISTECではなく、中小企業支援融資をはじめとした支援制度に委ねるべき。このような支援は、公的金融機関の在り方を歪めかねない。
●2]外国人労働者の労働条件について
(1)コロナ禍の下、働き方の脆弱さが露になり、影響は外国人労働者に一層大きくなっている。外国人労働者の量的な変化、また特徴的な状況をどのように把握しているのか。
答弁;外国人労働者は毎年増加している。
(2)相談事例は、労働条件は全て口頭で伝えられる、契約書があっても必要事項が明記されていない、欠勤や遅刻の控除が異常に多い、労働時間管理がなされていない、残業手当未払、いじめパワハラ、労災の多発など、ブラックな働き方の極み。県、また労働センターの相談窓口では、これらにどのように対応しているのか。
答弁;外国人に限らず、労働講座や改善訪問を実施している。神奈川労働局と連携し、外国人雇用セミナーなどを実施。外国人には丁寧な相談を心がけ、使用者との話し合いも、労働者任せではなくセンター職員が行っている。
(3)産業技術短期大学校の留学生受け入れや、神奈川県が特区を活用して行っている外国人家事労働者については、一般的に企業の働かせ方がひどいというだけではなく、事業を行う側の責任も問われる。家事支援労働者については、問題点をどのように把握しているか。
答弁;定期的に報告を受け、監査も実施している。問題点は聞いていない。
(4)従来、生活困難だった外国人労働者に、さらにコロナの影響が直撃している。一方、公的支援までたどり着かない外国人労働者は多い。法的規制など労働環境整備が必要だが、県で可能なこととして、次の三点について現状と今後の対応を求める。
第一に、ホームページ掲載の支援制度自体は多言語で掲載されているものもあるが、必要な情報へのアクセスが困難と聞いている。掲載方法に工夫を。
第二に、労働センター含め相談窓口の通訳を増やしてほしい。
第三に、外国人に関わる問題点の解決は、言語上の制約、慣習等の違い、労働法規の習熟度などの点で、単独の対応は難しく、同行等が求められている。
答弁;・HPへのアクセスは、現状でもわかり易くなっている。
・通訳については、労働センターも限定的に配置しているが、それで無理な 場合は、労働局などの外国人専門窓口を案内している。
・問題解決に向けては、必要に応じ職員が会社とやり取りしている。
[まとめ]国や自治体は、外国籍の労働者を増やす方向で動いているにもかかわらず、条件整備が十分ではありません。その不安定な基盤の上にコロナの感染拡大が加わり、不利益を被る人たちが増えています。充分なフォロー体制を確保することを求めます。
●およそ以上のやりとりです。大きな3番目に5G実証環境の整備について安全確認の不十分さを取り上げたかったのですが、やはり時間が足りませんでした。(2020.12.10)