●今、問題となっている羽田低空飛行案は、「人の命より金もうけ」を象徴するものだと思います。
国は、「2020年、訪日外国人旅客4000万人」をめざし、年間約9.3万便増便計画を作りました。その為に新たなルートをひねり出しています。
従来は、最大限東京湾上空を飛ぶことにより、事故や騒音を回避しようとするルートでした。
しかしながら、新ルートは東京湾上空は混雑しているとして、都心と川崎コンビナート上空を低空飛行することが計画されています。
南風運用時、午後3時から7時の間、着陸機が都心上空を最大一時間当たり44便、離陸機は川崎コンビナート上空を一時間当たり20便が飛ぶ計画です。
●騒音・落下物・重大事故が懸念されています。
都心上空ももちろん危険ですが、コンビナート地域には、ナフサや原油、LPG等の引火性可燃物が大量にあります。落下物や墜落などがあれば、周囲も巻き込んだ大事故になることが予想されます。
●この案は、オリンピックを契機としつつ、「国際競争力強化」「首都圏空港機能強化」などを背景としています。
でも、羽田の空は今でも混雑を極めています。最大の混雑要因は横田空域(下図)です。米軍指揮下の横田空域は、高度最大7000m、首都圏含む1都8県を覆う巨大な空間です。
民間機はこの空域を避けるために、急降下や急上昇、迂回を余儀なくされています。この空域の南側は、羽田空港や成田空港利用の航空機が密集し、大変危険な状態です。
●「反対する会」などが住民アンケートを行った品川区でも川崎区でも、およそ8割の人が反対をしています。
私はこの交渉においても、「この空をさらに過密な状態にする低空飛行案は、国際競争力のために住民の安全を犠牲にしようとするもので、撤回すべき」と求めました。
「被害想定を行っているのか」の問いにも「安全策を徹底する」との答えのみ。いくら安全策を講じても事故の可能性をゼロにすることはできません。混雑を激化させ危険なコースを飛ぶ増便案は、認める訳には行きません。
●1970年、川崎市の要請に対し、国は、コンビナート上空は原則的に飛ばせないと回答し、東京国際空港長に通知をしています。
今回これについて国交省は、川崎市及び神奈川県に変更を申し入れ協議中と答えています。
川崎市・神奈川県の態度が問われます。
私はこの低空飛行の問題を、7日の一般質問でとりあげる予定です。(2018.11.27)