●日本共産党神奈川県委員会主催で「高校のあり方を考えるつどい」を行いました。
県立高校に生じている歪みを危惧するところから始まったつどいです。
最初に私から報告。文教常任委員として、保護者からの相談や教育委員会とのやり取りなどを通じ、感じている問題意識をお話ししました。
規則が強力に持ち込まれ、指導よりは排除に傾き、結果的に生徒を追いつめたり、いじめを引き起こしているようにも思われました。その背景として、多忙化や県立高校改革を初めとしたさまざまな改変により、やはり追いつめられている教師の姿があるのでは、と思っています。
保護者からの相談などに対する教育委員会の対応も、不十分です。
●この日は、県立高校教師であった方からの報告も。
1975年以降、長洲県政とともに、生徒の自立を促す教育、高校100校計画が進みます。「県当局と教職員組合の力の拮抗の下で学校の民主化が進んだ」という言葉が印象的。
でもその後の変化は胸が痛みます。
日の丸・君が代の強制、文部省通知改訂による校長の権限強化と職員会議の形骸化、人事評価システムの導入、2006年の教育基本法改悪、総括教諭と企画会議の導入による教職員の分断、安倍教育改革に基づく新学習指導要領の改訂(道徳の教科化など)、新自由主義教育と文部省通知による「ゼロ・トレランス(寛容ゼロ・罰の全面適用)」の普及、「県立高校改革」による高校の階層化と続きます。
この間、県教委による介入や強制が強まっていきます。教師と生徒が追いつめられていくさまが目に浮かびます。
教師・生徒・保護者・市民の新たな協働による学校づくりをと結びました。
●保護者の立場から、子どもの中に持ち込まれている経済的格差と競争による分断も語られました。
私学からの報告も深刻です。生徒数減少の下、スクラップの対処ともなりかねない為、見栄えを求めざるを得ないといいます。
ある私学は半数が非正規職員、派遣教員が担任となっている例もある、私学にも貧困化が押し寄せ学費の延納・滞納が増えている、等報告されました。
●日本共産党文教常任委員会責任者の藤森毅氏の講演も、凄まじい実態を伝えます。以下に。
*校則・管理規則のブラック化(私の実感とも一致)。
*全国的には下着の色まで指定・調査する学校も。
*些細なトラブルからパトカーが呼ばれ、手錠で連行。
*生徒が教師の首を絞めたとされる冤罪(えんざい)まで。
*ルール守らなければ暴力受けてもやむなしとする傾向。
*これらは、2006年安倍首相によるゼロ・トレランスの導入から。
この実態に対し、規制の見直しは必須、国会論議では「ブラックやめよ」は多数派、「ブラック校則をなくす会」も。先生の笑顔を子どもに届けよう、と呼びかけました。
(「教職員を増やし……」の全文はこちらから)
●フロアからの発言も、的確に実態と今後が語られました。
つどい全体を通して、私が感じていた危惧と軌を一にした歴史的な経過、また全国的な傾向が把握できました。
このつどいの認識をどれだけ広げていけるか、高校生と子どもの学びと生活がかかっています。(2018.11.18)