早くも9月になりました。津久井やまゆり園をめぐって、3回目の厚生常任委員会が2日に開催され、委員会後視察も行いました。
津久井やまゆり園の指定管理者であるかながわ共同会の3人の参考人を招いています。
【委員会審議】
●私は、先行会派のやり取りを前提にしたうえで明らかにすべきポイントは、警察がどのように共同会に情報を伝え、それに基づきどのような認識を持ち、対応したかにあると思い、主に以下のやり取りを行いました。
▼津久井警察が共同会に伝えた予告内容を具体的に聞きました。回答は「ある議員に手紙が送られた」。その手紙には「意見が容れられなければ危害を加える」「津久井やまゆり園の名前が入っている」の3点のみと。
▼その情報を県には伝えたかとの質問には「一切伝えなかった」。
▼なぜ伝えなかったかとの質問には「職員管理上の問題であったから」。
▼予告に対しどのような対応を講じたかとの質問には「警察を頼りにするしかなかった。警察の指導の通り、防犯カメラの設置をした」。
▼情報に基づく容疑者との面接を経て、危機意識などは変化したかと問うと「おかしい。あまりに一方的だなと感じた」。
●ここからいえることは、警察からの情報提供と防犯対策指導いずれも極めて不十分という事です。
度々の確認から、共同会は「障がい者の抹殺計画が、具体的な方法を示し予告されている」との認識は持てなかったことがうかがえました。
警察は人権問題などに配慮し、その時点で全容を伝えることは無理であったとしても、事態にふさわしい危機意識を持たせることが必要です。それが情報提供の目的の筈です。
仮に情報提供に限界があったとしても、共同会は警察の指導を仰いでいる訳ですから、そこでふさわしい対策が指導されていれば、と悔やまれます。防犯カメラだけではなく、せめて警備のセンサー(現行対象は事務室と金庫のみ)や警備員の拡充、警察のパトロール強化等々が行われていれば、と思います。
警察の対応が検証される必要性を強く感じました。
●今後の職場体制を見通して、通常であっても利用者20人につき職員1人という夜間体制は拡充する必要があるとの立場から質問しました。これについては、共同会も同様の認識を持ち、事件後極力複数の対応をしているとのことでした。これらは今後の問題として活かしたいと思います。
また、防犯一方ではなく、地域と結びついた施設であること、措置入院などもあくまでも人権尊重の立場から行われることを要望しました。
指定管理者制度にわたる問題も認められますが、この点はまた別の機会に譲ります。
【委員会視察】
●津久井やまゆり園を訪れました。
献花の後、施設を回りました。犯行現場となった棟・31日まで居住していた体育館・救急搬送の対象とする判定が行れた部屋等々、妙な静けさと生々しさの中で見せていただきました。お線香のにおいが残り、場所によっては未だ消臭剤を使っている場所もありました。
敷地内は撮影禁止との指示がありました。もちろん軽々しくシャッターを押せる場所ではありませんでした。
●委員会開催冒頭「今回の視察は特別事案のため、グループ分けはしません」との委員長の言葉がありましたが、聞く人は意味が解らなかったかもしれません。
これは、昨年・今年と行われている「共産党を委員会視察に同行させない」という他会派の決めに対し、今回の視察は共産党委員つまり私も連れていくという意味です。(2016.9.2)