●国政交渉は、対象となった全ての省庁交渉に参加していましたが、この報告ばかりという訳にもいきませんので、防衛省・外務省、文科省に続き、今回の報告(厚生労働省、ここでは労働分野に限って)でとりあえず締めとします。
【労働時間短縮と賃金引き上げ】
①「一日7時間・週35時間制の社会」へ進むことを国の目標に据え、賃上げと時短を一体に進めること。
<回 答> 「働き方改革5年が経過し、引き続き「労働政策審議会」で議論を深めたい。
②中小企業向け予算を増やし支援策を拡充すること。最低賃金は全国一律1700円をめざし、直ちに1500円の実現を図ること。また生活保護との比較方法を再検討すること。最低でも労働時間については実際の所定労働時間を用い、勤労控除を加えること。
<回 答> 賃金支援パッケージなど環境整備に努めたい。比較方法については審議会に委ねたい。
【「スキマバイト」について】
スキマバイトに対して労働法制を厳格に適用すること。またスキマバイトの中には労働者派遣法で禁止されている「日雇い派遣」が行われている懸念がある。実態調査を行うこと。
<回 答> スポットワーク(スキマバイト)の留意点を広報している。スポットワーク紹介事業者には賃金・安全衛生など労働条件整備を働きかけている。
【外国人労働者について】
神奈川県が特区として行っている外国人家事支援労働者についてはパワハラ・セクハラなどの被害が懸念される。労働実態の把握に努めること。企業の違法や不適切な事例には、直ちに適切な指導を行うこと。
<回 答> 法令違反には指導を強めたい。
【日産自動車の経営再建計画について】
①日産自動車に対し、計画の具体的内容を明らかにするよう求めること。リストラや工場閉鎖について労働者・自治体・下請関連事業者などと十分な話し合いを行うよう働きかけること。
<回 答> 再就職支援を十分に行う。
②日産の経営再建計画が明らかになった際には、県・労働局などで対策協議会を設けること。
<回 答> 既に設置している。
③労働者の必要性に応じてリスキリングを十分に行うこと。
<回 答> 広範に行っていく。
【リストラ強行について】
電機業界で相次ぐ黒字リストラをやめさせ、労働者が仕事を続けることをめざした企業内リスキリングを十分に行わせること。
<回 答> 職務に関連する訓練については経費助成を行う。DX(デジタル変革)・EX(従業員体験)に関わるものは75%の経費支援を行う。
【高齢者雇用延長制度について】
高齢者雇用延長制度については、希望者全員を採用させること。「70歳までの雇用延長の努力義務」については、義務化をめざすとともに、各企業に計画の策定を求めること。また高齢者の再雇用に当たっては、賃金・労働条件の差別をやめさせること。日立・村田さんの事案における日本NCPの手続き状況を説明すること。
<回 答> 高齢者には個人差もあることから義務化は難しい。高齢者雇用の差別防止に努める。不合理な差別は許されない。日本NCPの手続きについては多国籍企業に関わっての問題であり、情報は当事者に止まっている。
☆私はこの問題では、「努力義務だから従わなくていい」とする日立の居直りを指摘し、厚生労働省に対しては「努力義務」という逃げを許す条文ではなく「義務化」するよう求めました。個人差があるのは当然ですが、本人が希望し、業務遂行も可能な状況などの要件を明らかにしながら再雇用や雇用延長を義務化すべきと求めました。現在の日立の態度は明らかに差別的です。同じような条件で採用されている人は複数でいる訳ですから。
【ジェンダー平等促進について】
3~5年の年次計画をつくり、男女賃金格差を解消すること。出産・子育てがマイナス要因にならないよう支援制度を拡充し、同期同学歴の労働者が同一処遇・同一賃金になるよう指導すること。
<回 答> 賃金格差は縮小傾向にある。
☆全体として非常に不十分な回答です。にも拘らず、それを重ねて追及する時間的余裕がありません。もっとポイントを絞り、限られた項目ではあっても少しでも当局の認識を進めることが必要です。でなければ全てが中途半端なままで、新たな状況をつくることができません。(2025.11.17)


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