5日は、中原区で初めてヘイトデモが行われる予定でした。
この日、朝から別の行事があったため、私が出発地点に到着したのは11時過ぎ。既に警官とデモに反対する市民で平和公園脇はいっぱいになっていました。デモ参加者は10数人、警官は500人と聞きました。ヘイトデモに反対する市民は1000人以上いたと思います。
40分以上の立ち往生の挙句、デモは中止になったとの発表、デモに反対する市民から歓声が上がりました。「10mしか歩かせなかった!中止させた!」という喜びでした。
「ヘイトスピーチを許さない川崎市民ネットワーク」の崔さんは、喜びの涙で度々言葉がとぎれながらも「ようやく希望が見えた」。さらに「デモ主催者に手紙を手渡すことができた。私の電話番号を書いて」「是非理解し合いたいと願って」と。この決意は並大抵ではありません。
崔さんの誠意と強い気持ちが、今までいくつもの局面を動かしてきました。人間の力って凄い!と思います。ヘイトデモを許さないために、これだけ多くの人が集まるという事にも私は感動します。
デモを止めさせた市民の力に確信を持ちつつ、課題も残ります。
私は彼らのデモの度に思います。そもそもデモ参加者の約50倍の警官を出動させなければできないデモって何なんだ、その場だけでも約100倍の人間が包囲し反対の声を挙げざるを得ないデモって何なんだ、と。
川崎市は、「ヘイトスピーチ解消法」の精神に則り、公園使用を許可しませんでした。横浜地裁川崎支部も桜本周辺のデモ禁止の仮処分を決定しました。そんな中で神奈川県公安委員会はデモを許可しました。
神奈川県警が今回の事態をどうとらえ、今後どのような態度をとるのか。県議団として県警にどのように働き掛けていくか・・・などと私は考えていました。
そもそもこの法律、大きな役割を果たしますが、注視していなければ、危険なものに転化する可能性を持つ、際どい法律だと私は思っています。法の趣旨を踏まえ、様々なバランスをとりながら、しかし大胆に活用していかなければ。
この日、川崎市民の伝統ある取り組み「第34回平和をきずく市民のつどい」も、平和公園と平和館で整然と行われていました。市民の沢山の取り組みも、伊藤真さんの講演「安保法制と立憲主義・憲法」も素敵でした。
伊藤さんは講演の中で、「ヨーロッパでは、ヘイトスピーチとは言わない。ヘイトクライムという。クライムつまり犯罪です」ときっぱり。やはり表現・言論の自由として守る対象ではない、という点をしっかり据えなければね。