●重税反対全国統一行動が、全国約550か所で取り組まれました。神奈川では18か所ということです。1970年からたゆまず取り組まれ、今年は54回目を迎えます。
私は川崎地区集会に参加しました。
●今年の大きな課題は、申告納税制度の大改悪が狙われていること。
岸田政権が3月末の成立をもくろむ「税務相談停止命令制度」は、税理士法改正により、税理士以外の人が反復して行う税務相談を停止させる権限を財務大臣に付与するというもの。罰則付きです。
「脱税や不正還付防止が目的」としていますが、停止命令の対象は「脱税や不正還付の指南を不特定多数に対して、広くあまねく行う行為」と説明。明文化されていません。「意図的な乱用で納税者団体の運動を阻止する治安立法といわざるを得ない」と浦野弘明税理士は言います。
●私の思考経路は、ここで「倉敷民商事件」と結びつきました。「倉敷民商事件は偶発ではなく、財務省の追求する税の在り方に伴う民商攻撃。そこに照準あてた命令制度」との思いを強くしました。
2014年倉敷民商事務局の小原淳さんと須増和悦さんが税理士法違反、禰屋町子さんが税理士法と法人税法違反の容疑で逮捕されました。
小原さんと須増さんは、残念ながら判決内容での成果はありつつも有罪確定していますが、禰屋さんは今も冤罪と闘っています。
今回の改悪は、倉敷事件と同じ弾圧を公然とやるための法整備だと私は思います。
そもそも不正防止なら、その事実そのものを追えばいいものを、「相談を停止させる」という回りくどいやり方を用いるのは、相談を行う主体への攻撃ということです。
●戦後の新憲法の下で、戦前の賦課課税制度から、納税額が申告により決まる申告納税制度に変わりました。
ところが、1948年に自主申告制度が導入されてからも「相談」「指導」の名のもとに「押しつけ課税」が横行。一人で申告書を提出しても疑ってかかる、帳簿も信用できないとする税務署に対し、全国の民商が「自主申告を認めよ」と自主申告を貫く運動を展開してきました。統一集団申告はここから生まれ、自主申告と重税反対を内外に訴えてきました。
この民主的税制とそれを担ってきた民商が今狙われています。税制の分野でも戦後の総決算ともいうべき憲法破壊が進行していると思います。
●民商の果たしてきた役割、そこと連なる重税反対全国統一行動の歴史を思い返す機会となりました。
申告納税制度否定の動きに、岸田政権の大軍拡・大増税強行の動きが加わり、中小業者と国民に襲い掛かってきています。
戦争する国づくり反対! インボイス制度実施中止! 命令制度阻止! 消費税減税!
これらのスローガンがリンクしながら、一層切実なものとなっています。この日は雨と強い風、川崎北税務署までのデモに力強いシュプレヒコールが響きわたりました。
願わくは、沿道の皆さん、この危険な動き、少しでも受け止めていただきたく!! (2023.3.13)