君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

女性の困難軽減とその体制 |君嶋ちか子|神奈川県議会議員

2022年12月30日

●神奈川県議会には「女性活躍推進議員連盟」という議連があり、私も参加しています。

議会閉会日、「女性保護事業の現状について」と題する議連の研修会がありました。

●女性相談所は、当時の売春防止法によって、都道府県に設置が義務付けられました。売春防止法は今年、支援を中心とした「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に変わりました。

女性相談所の設置目的は、「要保護女子及び配偶者からの暴力被害女性等の保護と自立支援」とされています。

特徴としては秘匿性です。加害者による追及を防ぐために所在地・電話番号は非公開です。一時保護から、女性保護施設への入所措置などを行います。

神奈川県の一時保護件数は2021年度で224件。その内母子は80件。DVによるものが160件です。

事例をもとに、支援の実態が語られました。

●続いて「かなテラス(神奈川男女共同参画センター)」の概況です。設置目的は「女性の自立と男女のあらゆる分野への参画を促進し、男女共同参画社会の実現に寄与する」というもの。

人材育成、意識啓発、調査・情報発信、DVの相談と啓発など行っています。

「女性のためのDV相談窓口」とともに、「男性のためのDV相談窓口」があるのがここの特徴です。8言語による相談が可能です。

この窓口相談の後、必要に応じて精神保健相談や法律相談に繋げます。

2021年度のDV相談件数は5410件、傾向としては増加とのこと。

女性相談の特徴としては、被害者本人の精神的不調、経済的問題,子どもの困難な状況、親との不和など。

最初の段階として、DVの認識を持っていない、暴力を重く受け止めていないなどが少なからずあります。

このような状況がありますから、啓発は大事です。理解を深め、対応すべき行動を促します。デートDVの啓発の大切さがわかります。

●これらの概況を伺ったのち、県職員でもあった神奈川県民生福祉協会理事の栗原ちゆきさんからお話を伺いました。

*新法により女性福祉が目に見えるようになった。新しい女性支援が求められている。

*市町村との連携が大事。DVにおいては県警も大事な役割をはたしている。

*体制強化が必要。相談員の質が支援の質につながる。等々

●体制についてのお話が印象的でした。

神奈川県は、県21名・市95名の相談員全員が会計年度任用職員。対して、和歌山県・新潟県・福岡県は全員が常勤職員。一部常勤が岩手県・東京都・兵庫県。

私は教員をはじめとした正規化問題、ひいては会計年度任用職員には大きな関心を持ち、質問でも取り上げていましたから、この場でも質問しました。

「相談は専門性や継続性、経験を必要とする。その点から常勤とすることが望ましいと考えているが、なぜ全員非常勤という事態になっているのか」という趣旨。県の担当から、以前からそうだったという答えが返ってきたところで、栗原さんから「県福祉事務所の相談員は、昭和60年まで全員常勤であった」との補足がありました。この経過を質しながら、常勤化を目指したいものです。

●コロナ禍の下で、DVをはじめとした女性の困難もより顕在化しました。新法を味方にしながら女性の困難軽減がいよいよ求められていると思います。

体制強化はこの分野に限りません。専門性・継続性の確保は引き続く大きな課題です。(2022.12.19)

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