●向河原駅宣伝の後、西加瀬プロジェクトの予定地を視察しました。畑野君枝前衆院議員、おおば裕子市会議員、市古次郎市会議員とともに「巨大物流倉庫を考える住民の会」の方から説明を受けました。
これまでにも何度かブログでも取り上げていますが、広い敷地、道路を挟んでぐるりと取り囲む住宅地を眺めると、「この住宅地に無謀」と改めて思います。
神奈川県や川崎市の事業に登場する機会が多いダイワハウス工業が建設し、アマゾンなどの物流企業が入る予定です。
●建設される倉庫は、延べ床面積約23万2720平方メートル、高さは約50m。完成すれば国内最大となります。車の出入り計画は1日大型含む1300台、しかも24時間稼働。
騒音・振動などが懸念されます。周囲の道路は片側一車線で渋滞も深刻になりそうです。近くには小・中学校や保育園、老人憩の家、障がい者通所施設がありますから、交通事故も心配です。
この近くは地盤が弱く以前から相談を受けています。今回の説明を聞く間も、大型の車やバスが通るたびに振動が伝わってきます。
通常大きな物流倉庫は港や高速道路近くに作られます。このような住宅地に作られるのも日本初ですが、輸送のコスト削減、従業員確保の容易なことが狙いと言われます。
コスト削減のために住民が大きな被害を受けるのは、やはり不当です。
●川崎市がこの計画を受け入れていることも問題です。
川崎市は2019年に「西加瀬地区における大規模工場跡地の土地利用誘導の基本的な考え方」を発表しています。
これによると「都市計画マスタープランでは、西加瀬地域は産業高度化エリアに位置付けられ」とし「地域環境と調和する都市型工業地の形成」を目指す事が記されています。
これがそもそも実情にあってはいないと思いますが、それでも「西加瀬地区及び周辺における現状と課題」の項目には、下記の記述があります。
*住宅地と業務・工業用地が混在した土地利用であり、周辺の住環境への配慮が求められます。
*周辺には、まとまった広場などの公共空間は多くありません。
*自動車交通の集中が懸念され、周辺地域への交通環境への配慮が求められます。
*木造建築物が建ち並び、狭隘な道路も多い地域であり、災害時に住民などが安全に避難できる施設やオープンスペースなどは不足しています。
●なぜこのような把握をしながら、「都市型工業地の形成」になるのか。住宅はまさに建ち並んでいて、工業地などと位置付けることには全く合理性がありません。
また、「自動車交通の集中が懸念され」「交通環境への配慮が求められる」「住宅が建ち並び、狭隘穴道路も多い」としながら、なぜ、このような巨大物流センター建設を認めるのか。
住民が「生活と相いれない」と危機感を募らせているのに、川崎市はなぜ住民の暮らしを守ろうとしないのか。
環境アセスメントにかかる市民意見に対する条例見解書が縦覧期間を経て、12月3日には公聴会が開催されます。 市民意見は多数に上り、見解書が示されるまで3カ月を要しました。このプロジェクトが住民には受け入れがたいものであることを示しています。(2022.10.24)